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私の異常な愛情:または私は如何にして偏愛するのを止めて洋楽を愛するようになったか

 少し前に「○○はなんで洋楽好きなの?」「どんな風に洋楽を聴いているの?」「洋楽聴くときって、歌詞の意味は考えるの?」ということを知人に言われました。

 確かに。考えたことありませんでした。で、なんで私はこんなにも洋楽が好きなんだろうと。

 一部過去に記事にはしていますが、簡潔に音楽遍歴を振り返りつつ、洋楽の魅力に迫りたいなと思います。



幼少期(偏愛期)/洋楽の聴き方

 「抱きしめたい」の記事で書いた通り、私と音楽の出会いは3歳。ビートルズでした。ただビートルズ以外の音楽にも触れていました。

 ドライブの車内、いつも音楽がかかっていました。それもMD。時代を感じます。有名なクラシックの寄せ集め。昔流行ったの洋楽バラードのベスト。こんな感じのMDをよく聴いていました。ビートルズと、クラシックと、よくわからないアーティストたちの曲群。これらが、私の幼少期の音楽体験でした。

 「どんな風に洋楽を聴いてるの?」「歌詞の意味を考えながら聴くの?」という質問に移ります。

 幼い私は、英語なんてわかるわけもありません。意味を理解しようともしませんでした。でも、流れてくる曲と一緒に歌おうとはします。歌詞を覚えるのは不可能ですから、”音”として歌を覚えるわけです。大袈裟ですが、ボーカルも楽器の一種という捉え方です。

 でも多分、発音的にはこっちの方があってる気がします笑。歌詞を知って歌うと、どうしても日本人の発音になってしまいますからね。ビートルズは今でも”音”で覚えたまま歌うことが多いです。でも「いい発音だね」とほめられたこともあるから、幼少期に訳も分からず覚えてよかったなと。

思い出のCD群

 小学生の頃には、CDを買いだしました。歌詞カードをみながら歌うことも増え、次第に意味も考えるように。ただ、初見で意味が分かることなんてありません。単語や文法だけでなく、伝統的な言い回しとかに追いつけないからです。

 ですから、最初は曲の雰囲気、メロディ、ギターリフなどで「好き!」ってなって、聴こえてくる単語からなんとなく意味を推測したりしなかったり。そのあと好きになった曲は気になって意味を調べる…。答えが想像通りでも、ギャップがあっても、面白い。

 「音楽を聴く時、歌詞を聴く人、音を聴く人にわかれる…」。私は完全に後者です。いろんな音を感じる、曲の構成やメロディの豊かさに身を投じる。こんな聴き方をしていたのです。

 小学生の時は、洋楽が好きというより、ビートルズが好きという感覚でした。まだまだ発展途上。この時は完全なるビートルズ狂。偏愛です。ビートルズしか聴きたくなかった笑。最初にビートルズとかいう最高峰の音楽を聴かされたら、なかなか他にいけないのも仕方ないです。

中学生(拡張期)

 転換点は中学生。Queenに出会います。そこで、クイーンは「この曲聞いたことある!」って曲ばかりであることに気づきます。しかもメロディが聴きやすかった。最近は久しくクイーンを聴いていませんが、洋楽の入門編としてはぴったりですよね。同時にオアシスにも出会い、だんだんと他のバンドに手を出していくわけです。

 スマホを所持していなかった中学生の私は、CDやMDの他に、テレビが音楽に触れる重要な媒体でした。当時よく観ていたのが”洋楽グラフィティ”という番組。BSプレミアムで深夜(明け方)に放送していた、昔のMVやライブ映像を集めたもの。これでビートルズ以外の音楽を仕入れていきます。それと忘れてはならないのが”ベストヒットUSA”。これは今でも放送していますね。昔の洋楽界隈の話を小林克也さんから学び、現在の音楽シーンも勉強。

ベストヒットUSA:小林克也氏

 中学時代は、ビートルズから脱却し、クイーン、オアシス、レッチリ、U2、グリーン・デイ、ザ・フ―、R.E.M.などなど。ザ・スミスの歌詞を裏紙に書き留めていて、その紙が担任の先生に見つかって心配されたことも笑。

高校生(包容期)

 高校生でドハマりしたのが、The StrokesとArctic Monkeys。勉強しながら"You Only Live Once"を聴いていた瞬間が記憶にあります。鬼のような量の宿題も、ストロークスのおかげで乗り越えられました。この2つのバンドは私の青春を思い出させます。大学生になって、幸運にも、両者ともに来日。最高でした。

 高校3年生ぐらいになると、デヴィッド・ボウイの良さに気付きます。サブスクでは物足りず、"Ziggy Stardust"が欲しすぎてCDショップを探し回ったこともありました。洋楽グラフィティの記憶が蘇って、ムーディ・ブルースにもハマりました。このころになると、苦手な音楽なんてものはほとんどなく、どんなジャンルでも受けいれるようになっていました。

現在

 レッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン。中学生の頃から聴きはしてましたが、なかなかハマらず。ですが、大学生になってドハマり。"Physical Graffiti"は2022年最も聴いたアルバムに。このアルバム、2枚組なので高いのですが、フジロックの帰りの東京、ディスクユニオンで状態の良い中古のPhysical Graffitiを見つけた時は歓喜しました。キンクスが大好きになったのも大学生からですね。

 それでもいまだに、ビートルズは大好きです。もちろん聴かない期間も存在しますが、私の中でリバイバルを繰り返しています。


私と洋楽

 洋楽、特にロックに夢中になったのって、理由はいくつかあります。例えば、ビートルズが代表的で、いろんなバンドにも言えることなんですが、アルバムを1つの作品とするところ。曲単位でなくアルバムとして、1つの芸術作品に。また、ロックってすごく分野横断的です。いろんな要素があり、姿勢があり、スタイルがある。

 それからロックが紡いでいく歴史みたいなものとか、オーバーグラウンドでありアンダーグラウンドなとことか。サイケとかプログレとか、パンクとかオルタナとか。いろんなジャンルがあって、いろんなバンドがあって。

 そして音楽は、特殊な力を持っています。魔法のようなものを。

 人生を振り返るとき、過去に聴いていた曲を思い出す。過去に聴いていた曲をいま聴くと、その時見た光景、感情を思い出す。

 音楽は、経験や思い出を蘇らせてくれるツールでもある。記憶を再現することができる。音楽は体にダイレクトに入ってくるものです。音楽の力って偉大です。


編集後記

 今回はnoteを始めて10回目の記事。タイトルを「~好き。」の形に統一していましたが、記念なので初回以来の特別版。もちろん、あの映画からのオマージュ。

 昔好きだった曲を聴くと、本当にそのときの事を思い出しますよね。景色とかも詳細に蘇ってきます。曲に恋してたみたいな。

 今日もありがとうございました。


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