「再び日常を取り戻す」の認識は合っている?
▼社会構造のバグが見つかった
新型コロナウィルスの猛威で、今までの暮らしの脆弱性が発見された。
教育施設や職場、食事をするのも、娯楽施設にしても、感染症が流行した世界ではいかに脆くて、無力であったが露呈したように思う。
外出は自粛要請。
テレワークや、オンライン授業を筆頭に労働や教育については、基本的に在宅で過ごすよう求められ、外食にしてもテイクアウトやデリバリーが奨励されている。大人数の飲み会や、イベントなどは中止・延期で、あのオリンピックでさえも延期になった。
これは人類誰もが経験したことのない未曾有の事態であり、対策として手本となるようなロールモデルは存在しない。
▼今後の展開
2020年5月15日現在、新規の感染者数はピーク時と比べ、低下しており、
全国ではないが、39県で緊急事態宣言の解除がされることが決定となった。
このまま順調にいけば、残りの8都道府県にしても順次解除されていくことになるだろう。
ただ解除といっても、限定的・制限付きの解除となるし、前年同月のような働き方・暮らし方は絶対にできない。
そんな中、長期間テレワークで外出自粛している人や、医療現場や各自治体などコロナ対応に追われているような各職場で「1日も早く日常に戻して欲しい」という声も上がっているだろう。
しかし、再び前の日常に戻るということは、その弱点を無防備に晒け出すことになる。Afterコロナ、withコロナと言われている世界で、これまでと同じような暮らし方は、成り立ち得ない。
▼新しい生活様式は日本に浸透するのか
国が発表した『新しい生活様式』は、コロナ禍で自粛要請や呼びかけをしていた要件を、社会活動の再開を踏まえて緩和したものだ。
この数ヶ月間での目まぐるしく、社会情勢が変化し、仕事やプライベート、学業やインフラなど、早急な対応を迫られることもあった思うが、こうした緊急事態だからこそIOT、ICTへの意識や環境整備が進んだことで、一段階プラスのステージに上がったことは大きな収穫でもあると思う。
また世界的に外出自粛した結果、環境問題が改善しているなんて報道もあった。
新型コロナウィルスは人類に脅威をもたらす存在であったが、一方で社会構造の成長や進化を強制的に誘引する存在でもあるのだろう。シンゴジラでも同じようなセリフがあったが、厄災というのはそういう側面を持ち合わすものなのだと改めて感じた。
矢口(長谷川博己)「つまりゴジラは、人類の存在を脅かす脅威であり、人類に無限の物理的な可能性を示唆する福音でもある、ということか」
この経験は無駄になることはない。
だからこそ、いま必要なのは以前の日常を取り戻すことではなく、これまでとは違う新しい日常・暮らしを構築することが必要なのだ。
自分たち、子どもたちの未来を創るためには、それが絶対に。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?