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#親子

綿毛のこども

綿毛のこども

私がその人を自分のおじいちゃんだと認識する頃には、もう彼の髪の毛は真っ白だった。
それは一切のくすみが抜けきった、たんぽぽの綿毛のような髪の色だった。

厳しい人だったとおもう。毎朝、鏡の前でしっかりとその白髪を後ろに流し整えていた。洋服はいつもスラックスとシャツ。綺麗でかっこよくて、私はおじいちゃんと一緒にさんぽをするのがなんだか自慢だった。
でも、母とは折り合いが悪くて、たまにおじいちゃんの家

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砕けたリンゴとミルクティー

砕けたリンゴとミルクティー

「最後にさわったの親父なんだから、ゲーム片付けなよ」

俺がそう言うと、親父は大きく目を開いて、手元にあったリンゴを投げつけてきた。
それは咄嗟によけた体を横切って、後ろのテレビにぶつかった。画面にはひびが入ってしまっている。

血が冷たくなるのを感じながら、それでも萎縮した顔など見せまいと、平然とした風でリンゴを片付ける。肌ざわりの悪い静寂。親父の怒りや戸惑いが、空気を黙らしているようだ。
リン

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