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2020年1月の記事一覧

花と火

花と火

枯れた花が燃えている

死んだ後で こんなに鮮やかな色をはなつのは

幸せだろうか

照らされた頬が染まっても 中まで暖まるわけじゃない

枯れた花が燃えている

とっくに消えてもおかしくないのに 火はまだそこにいる

幸せだろうか

照らされた瞳が染まっても 中まで輝くわけじゃない

これがほんとの最後なのに

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元日

元日

甘い夢の裏側で

削られる肌は

まだ 若さを保っている

しんしんと雪は降り

手招きする嘘と 遠ざける本当に

温度のないものしか残らない

目の中の小鬼が

デタラメばかりを叫んでいる

「遠く 遠くに 救いがある」

頷けるわけもなく、ただ明ける年。