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笑い×地域おこし「石巻お笑いマスター決定戦」で優勝した『きつね日和』

笑いで石巻を盛り上げる大会


宮城県石巻市で「第2回 笑いで石巻エリアを盛り上げるお笑いマスター決定戦」というイベントが開催されたことをご存知だろうか。
恐らくほとんど知られていないと思う。私も応援している漫才コンビが出場していなかったら見過ごしていただろう。

大会の概要はこちらの記事にある通り。

総勢85組の中から予選を突破した35組がYouTubeで石巻のPR動画を公開。再生数等の審査で上位2組が決勝に進む。
決勝は石巻市で開催され、石巻のPRロケ動画と石巻の魅力を伝える漫才などで勝負。決勝の模様はYouTubeで生配信された。
優勝者には報酬20万円分の仕事が贈られ、今後は優勝者による石巻ガイドツアーやふるさと納税のPRなども行うらしい。

配信アーカイブはこちらから。

決勝戦に進んだきつね日和泣くなよも司会のふあん☆がーるさんもそるとさんも全員優勝で良いのではないかと思うくらいお笑いライブとしても楽しく、石巻の魅力も多く知ることができた。

今まで見て来たどの旅番組や観光誘致のCMよりも、「この場所に行きたい!」「この料理を食べに行きたい!」「これを見に行きたい!」と思わせられた。

その土地に縁もゆかりも無いコンビが一生懸命に石巻のことを調べて、現地に行って、自分達が見聞きしたことや体験したことを笑いにして伝える。
石巻のことを知らない人はもちろん、地元の人も楽しめる配信だったのではないか。

きつね日和の奮闘

準決勝(石巻PRネタ動画)

冒頭で書いた「応援しているコンビ」とは優勝した『きつね日和』。この2人の頑張りは本当にすごかった。(もちろん『泣くなよ』も相当苦労していたと思う。悪天候の中ロケを1日で敢行したとも聞いた。)

まず、準決勝の石巻PR漫才。

短い漫才の中で石巻の名産や名所、ゆるキャラなどを伝えるのだが、知らない人にとっては名前だけ聞いてもイメージが掴みにくい。

そこをYouTube動画であることを利用して、編集で画像や注釈を付け加えて上手くカバー。石巻のことを何も知らない私のような人間でも楽しめる内容となっている。もちろん1本の漫才としてもおもしろい。
編集は左の北海道帯広出身ツッコミ担当のおいなり達也さんが一人で行った。

優勝間違いなしの動画だが、決勝戦進出者は再生回数や高評価数/高評価率、そして審査員投票で決まる。まだファンの数がそれほど多くないきつね日和にとっては厳しい戦いだった。再生回数に一喜一憂する日々が続き、きつね日和の2人はもちろん、ファンも一緒に動画を広めた。

結果、きつね日和は泣くなよと共に決勝進出。


決勝戦(PRロケ動画)

決勝戦では4分間のロケ動画が披露された。百聞は一見にしかずなのでまず見てほしい。
このままテレビCMや駅の待合室等で流してほしいくらいクオリティが高い。
構成やシナリオ、編集や映し方のどれもが石巻の魅力を4分間で最大限に伝えていると思う。

動画は4分間だったが、ロケは2日間に及んだ。

決勝戦の2週間前にレンタカーで東京から石巻まで移動して早朝からロケ。その様子も部分的にRadiotalkや他の映像配信アプリで発信。

駅での撮影風景。同じシーンを何度か撮り直していた。
金華山に向かうフェリーで船酔いしてしまうおいなりさん
金華山で鹿にたかられるおいなりさん
2日目。田代島に向かうフェリーからの光景。
漫才撮影の直前
フェリーの中で眠る松本さん(手前はふあん☆がーるさん)

2人の背景に映る綺麗な海や波の音、美味しそうにご飯を食べる姿、楽しそうに島の中を歩く様子を見て、自分もその場所に行ってみたくなった。

また、船酔いや疲労でぐったりとしている2人を見て心配になりつつも絶対に優勝してほしいと強く思った。

撮影だけでも大変なのに、2日間の動画を4分間にまとめる編集作業もある。
撮影の総時間がどれくらいに及んだのかは分からないが、その中から必要なシーンを選んで切り貼りするだけでも大変だったと思う。
それに加えてテロップも付け、場面によっては動画の嵌め込みも。

右上のロゴもかわいい

オープニング曲にはご当地キャラ「イシノマキマン」のテーマソングを使用。4分間で石巻の魅力が最大限伝わるように工夫されている。
漫才をしながら石巻各地に移動していくと言う発想もおもしろい。

YouTube公開だけではもったいないので是非色んなところで流してほしい。

決勝戦(漫才・モノボケ対決)と視聴者投票

決勝戦では漫才→PR動画の順番で披露された。目の前の審査員は石巻の方々だが、YouTube配信は全国各地の人々が見ている。
漫才ではその土地のことをよく知らない人でもご当地ネタを楽しめるように工夫されていて、聞き慣れない単語が出ても置いてけぼりをくらうことが無かった。
2人がロケで見たものや体験したものも織り交ぜられており、準決勝のネタ動画より更におもしろくなっている。

いつも付けてるキツネのバッジの代わりにイシノマキマンのバッジを付けている松本さん(右)

与えられた小道具でボケるモノボケ対決。こちらでも石巻を絡めたボケをいくつも繰り出していた。

最後の視聴者投票は接戦。投票数をリアルタイムで見ることができたのだが途中で50%ずつの引き分けになっている瞬間もあった。
結果は僅差できつね日和の勝ち。
「泣くなよ」も素晴らしかったのでどちらに入れるか迷った人も多くいたのでは無いかと思う。

後日談

新聞とテレビで報道

お笑いマスター決定戦の模様ときつね日和優勝はニュースにもなり、tbc東北放送で放送され石巻かほくと石巻日日新聞にも記事が掲載された。

ほんの数ヶ月前まで「お笑いの仕事がしたい。」「最近毎日バイトしかしていない。」とぼやいていた2人がガッツリお笑いの仕事をしてガッツリ新聞やテレビに名前と姿が公開されている。しかも新聞の一面。

本人たちも喜んでいたが、2人の頑張りを見て来たファンもとても嬉しかった。

石巻市でもファンをどんどん増やしてほしいし、きつね日和の活動を通してファンも石巻を好きになるはず。

優勝コメントでもご当地キャラ「イシノマキマン」のサイダーを見せながら喋るおいなりさん。店先で見つけてかわいかったので自分で購入したらしい。

決勝戦の後も石巻ご当地グルメをTwitterで紹介。こう言うのを見ると食べに行きたくなる。

早く石巻を聖地巡礼したい。

東京での活動

 2組は5分ほどのネタと、事前に足を運んで芸人の視点で制作した石巻のPR動画を発表。市観光課や日本笑い学会石巻支部、地元報道機関、石ノ森萬画館からの6人がネタやトークのおもしろさ、PR動画の質、将来性を審査した。

"第2回マスター決定戦 笑いで石巻を盛り上げる 「きつね日和」85組の頂点"

上記は石巻Daysのnoteからの引用だが、きつね日和は間違いなく将来性があると思う。初めて見た昨年4月から現在に至るまで、見る度におもしろくなっているし着実に成果をあげている。
2人とも、おもしろくなる為、売れる為(テレビに出る為)に努力を惜しまない。

決勝戦の翌週金曜日にはきつね日和主催ライブ『漫才狂い〜まんぐる〜』が開催された。漫才の腕を更に磨き、平場(ライブのネタ以外の部分)でのトークスキルを上げるために毎月開催する漫才師だけを集めたライブだ。
配信で見たがきつね日和の漫才とMCはもちろんのこと、出演する芸人さんが全員おもしろくて楽しいライブだった。
(※三拍子は都合により高倉さんのみ出演。最後に出演者全組にアドバイスやコメントを送った。それを聞いてから見返すと更に楽しめると思う。)
配信アーカイブは2/11(金)まで見ることが出来る。

来月は2/25(金)開催予定。

その二日後にはケープロ主催のこちらのライブに出演。

『S.S.ゴールドステージ』と言うバトルライブで勝ち抜いた賞品として出演権を得た豪華ライブ。しかも4ヶ月連続1位という好成績。

2人の更なる飛躍に期待したい。


きつね日和を初めて見た三拍子のYouTube生配信番組『生漫DAY』

笑顔認証システムで観客の笑顔を計測して優勝者を決める「リモー虎笑門」きつね日和も出演し優勝した。

きつね日和の公式SNSまとめサイト


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