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光池午前5時、老犬ジャンがめずらしく散歩をせがんだ。いつもは日が昇るまでぐうっと寝ている…
月光 遠くで悲鳴が響く水田と 同じような灰色の家たち 二階から響く知らない人の声 からだの…
夕暮れFantom 空に傷がない 濁った色がないよ 瑠璃色の夕暮れ まっしろな琺瑯のランプシェー…
花束いちめんのハルシオンの花を刈取り小さな花束をつくった。それを静かに夜の中において私は…
黄緑のシャツ 少年だった。 十字路の角から自転車に乗って飛び出てきた。全体に「洗い晒し…
光の織物 色も匂いも重さも ない。 だけれどそこに 織物があった 揺れる緑の葉 ふるえる深…
手紙激しい雨をくぐり 硝子の水滴に弾かれ 生成りの布を擦りぬけてきて いつのまにか机の上につもっていく 静かな光 机の上に左手 考えもなくうらがえる掌 受け取るかたちをつくって うごきだした右手 あなたへの手紙 書くことができそうです 輝く水太陽が静かに浮かんだころ ふたりの声はやわらかな葉をつくった 脚を伸ばして 腕を巻いて 目を水でいっぱいにして 色を香にかえる光に 包まれた棕櫚の うえで澄んでいく 水 静かに聞えてくるふたつの脈 捜しあぐねていたのだろうか 声