pip

30女東京。長女でも店長でも彼女でもない私に帰るところ。躁鬱。

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30女東京。長女でも店長でも彼女でもない私に帰るところ。躁鬱。

最近の記事

咀嚼音

今この瞬間をこの先も何度も思い出すだろう、とよく思う。 それと同時に結局2度と思い出さない気もして、それもまた人生そのものなのだなと腑に落ちる。 去年に亡くなった祖母とのその瞬間は何度も思い出す。この先もずっと忘れたくない。頼むぜ私の脳みそ。 癌が見つかった祖母は酷く落ち込んでいた。 その朝も病院に行く予定だと言うので、私は夜勤明けの身体で祖母の住む町田へ向かった。 私が朝から現れるのは想定外だったようで、私の顔を見るなり祖母は泣いた。 いつもの自分だとそんなシーンに出会

    • 2021

      2021年、仕事納めました。 よく生き延びた。 死なずに済んだ。 今までで一番過酷な1年だった。 今までで一番有意義な1年だった。 最終日の昨日、営業中に1時間ほど倒れた。 ギリギリを生きていた。 皆んなに生かされた。 身近な仲間だけでない。 卸業者さん、お花屋さん、大工さん、税理士さん、お客さん、大家さん、消防士さん、お巡りさん、、。 顔も知らない、でも繋がりの先に居る人たち。 紛れもなく、自分は人の繋がりに生かされていたことを身をもって分かった。 最終日営業後の忘

      • 名のないあなたへ

        あなたや私がいるこの空間のことを世界と呼ぶんだけど、世界といっても一つじゃないの。 あなたと私のように繋がっていて、ただ一つの小さな世界もあれば、あなたの父と私が出会った騒がしい街も世界言うよ。 出会ったことのない、これから出会うこともない多くの生き物や、これまで触れ合った多くの生き物がそこらじゅうに溢れてるの。 私のいま生きてる小さな街ではね、日々騒がしくて、悲しいことや、無慈悲なことが沢山起きるの。 また、世界は私中心と心から思えるほどの幸福感に満ち足りることもできる

        • 朝のにおい

          この頃早起きだ。 歳かな。何時に寝ても7時には目が覚める。 洗濯を回して、 コーヒーを飲みながら青い部屋で無の時間。 パン屋に向かう。 朝のにおいだ。 朝のにおいとは何だろうと考える。 家を出た瞬間、ざっくり朝のにおいだと思うその正体は何だろう。 よく集中して歩くと、一歩ずつ色んなにおいが見えてくる。 どこかの家の洗濯ものの匂い。 ーまだ水分を含んでそうな。 新築ではなかろう、木造のにおい。 少し湿った土のにおい。 どこからか漂う百合系の小花のにおい。 茎が太い系の葉っぱ

          忘れないけど、忘れるだろう。

          悲しいが、とても素晴らしいことだ。 一番好きな吉本ばなな小説の一説。 こんな日が、私たちにとってはきっと酸素よりも大事なんだと思う。 どんなにしんどくとも、ひたすら地道に確実に進んでいけば、きっとまたこういう日に出会えるんだろう。 久しぶりに美味しい空気を吸った感覚の日だった。 私はきっと今躁だし、 きっとまたヘロヘロになるし、 やっぱり無理だってターンが来る。 まあでもこんな日に酸素を頂きながら、 ここまで生きて来れたのだと思う。 泣いた分だけ笑顔ってより、 笑顔

          忘れないけど、忘れるだろう。

          セロトニン

          後輩Rの成長を垣間見れた。 本当に嬉しい。 愛おしい。 これこそ活力。 この日を忘れないだろう。

          セロトニン

          おくりもの

          大好きなお客さまから プレゼントを頂きました。 いつもありがとう、と、、。 そのお客さんは近々転勤で アメリカへ行ってしまう。 コロナ禍でお店が厳しいときから 足を運んでくれた方。 いつも元気付けてくれた。 わたしが店長となり張り切りすぎて体調を崩したときも、優しい言葉をくれた。 お店としてももちろんだけど、 個人的にとても救っていただいたお客さまです。 年下だけど尊敬できる、懐の深いお方。 嬉しくてお礼を重ねて伝えたら 恥ずかしそうにしていて、 本当に優しい人だなと

          おくりもの

          おしえる

          おしえるの語源は愛惜しむだってさ。 洋服のお直し職人をていた頃、 全くの初心者だった自分に 一から教えてくれた大先輩がいた。 技術で言ったら雲の上の存在。 綺麗に、早く、心を込めて。 まさに職人の鏡だった。 細かく厳しく教えてくれるのも、 私の性にはとても合っていた。 人によっては落ち込んでしまう子も居たが、 私は誰よりもその先輩を憧れていたので 何でも教えを乞いたかった。 席が近いときは視界の端で、 いつも先輩の手元のスピードを意識していたし、 『こうやるのよ』と 手

          おしえる

          躁ちゃん鬱ちゃん

          先週くらいはびっくらするほど モチベーションが高く食べるのも忘れるほど あれこれ動き続けていた。 今思えば完全に躁なんだけど、 やっぱり未だに真っ只中にいると気が付けない。 この週末、悩み事こそ多いからか まじで笑顔を作るのがしんどくなった。 帰り道1人で泣くのがまた始まり、 『あ、こりゃあかん』と 躁疲れしてることにようやく気が付いた。 今日は夜から仕事なんだけど、 ほぼ鬱に入りかけの 暴飲暴食したおかげで ドスコイ重たい身体で役所まわり。 1時間待って、 さあ呼ば

          躁ちゃん鬱ちゃん

          まる

          いと多難なり でも愛しいひとはいる それだけではなまる ギターを買ったんだって よかったねえ 自分のことのように嬉しいなあ ビールってこんなにうまかったなあ 一緒にのむとこんなに 寒かろうがね ビールもタバコもおいしいのだ がんばってることを知っててくれたし がんばってることをちゃんと知ってた 知ってる気がしてたけど やっぱりがんばってたなあ 笑ってほしいなあ 悩む顔も素敵だけど 健やかにいてほしいわけだ 明日もあさっても来年も そんなことを思っていたら 涙がこぼれそうになっ

          ミーティング

          先日は数ヶ月ぶりの店舗ミーティング。 欠席の子もちらほら居たけれど、 見学者がいるなかいいミーティングができました。内容濃かった。 それを踏まえて初の金曜日。 オープンして1時間して団体の常連さんが。 幸先いいなと予感した。 きっとあのお客様も来てくれるだろうと期待と予想をして、席を空けておいたら本当に来てくれた。嬉しかったなあ。 最近どう?げんき?と 声をかけてくれたり、 こちらが忙しそうなのを気を遣ってくれたり。 ホール楽しいなとしみじみ。 そしてそういうお客

          ミーティング

          長になってはじめての金曜日

          色んなひとが沢山くる。 みんな飲みたくて来てくれたのに 入れなかったらそらムムっとするのは 当たり前の感情で、 そしてわたしは女で若造で 押せばなんとかなると思われる風格だから 舐められがちで ムムっをストレートにぶつけられがち。 でも私の目の前にいるひとは 本来はただ楽しく飲みたいだけの人で 私の敵でもなんでもなくて 休みの日にわざわざ 居酒屋の店員とイザコザなんてしたいなんて 微塵にも思ってなくて、 わたしも楽しく働きたいだけで、 お客さんも仲間も楽しくいてほしいだけで

          長になってはじめての金曜日

          ごめんね

          じゃなくてありがとうを 今よりもっともっと伝えようと思った日。

          ごめんね

          潜水

          わたしは人が好きだ。 他人を過大評価し過ぎたと言われることもあるが、基本的にだいたいの人に対して『かわいさ』を見出してしまう癖がある。 素直でもかわいいし、 素直じゃなくてもかわいいし、 一度『こいつやだ!』と思っても なかなか嫌いになれない。 一見いいことに思えるが、 他人を甘やかしすぎだと言われることも多い。 一度いやだと思っても、 ケラッと笑うところをみると 心がじーんと温まるのがわかる。 その人の笑顔ってのは大抵幼少期からジジババまで、変わらないと思ってる。 だか

          冷たいけど少し湿っぽい風が 色んな音を立てて、 落ち葉や埃を散らかせながら吹き過ぎてゆく。 この冬に起きた嬉しいこと悲しいことを、 すべてリセットさせるかのように。 この風の向こうには新しい季節が待っている。 春の訪れに胸ははずむ。 それでも毎年この季節はせつない。 夏の終わりのような、少し違うような。 この冬のできことを、 私たちは忘れはしないが、 そのうち思い出さなくなる。 思い出せなくなる。 まさしくこの風が、大きな音を立てながら できごとをごちゃ混ぜにして、

          いろんなことば。

          その国にはその国の言葉がある。 その職業にはその職業の言葉がある。 その地域にはその地域の言葉がある。 もっと詰めれば、 その会社の言葉、その家族の言葉、 そのカップルの言葉、その仲間の言葉がある。 自分はいつも同じ日本語を話しているつもりでも、 それぞれの場面で使う言葉を取捨選択している。 相手の言葉を理解できて 自分の言葉も理解してもらえて、 共有の言葉がたくさんあり、 それを気ままにやりとりできることは、 よく考えてみたら、とても幸せなことだ。 違う側面から

          いろんなことば。