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鹿児島再訪の旅-①-

2023.10.1(日)~10.3(火)

鹿児島県を初めて訪れたのは2020年10月で、その時の鹿児島は47都道府県で訪れた最後の地だった。
つまり47都道府県制覇の記念の地であった。
なので、今年の10月の旅の目的地を鹿児島にした。
割とそう言う記念日的なことにはこだわる方である。
前回は桜島や鹿屋を訪れたので、今回は違う所に行こうと思った。
Google mapを見ながらプランを立てる。

1日目は大隅半島最南端の佐多岬、2日目は薩摩半島の枕崎周辺、3日目は薩摩川内市の入来やさつま町など内陸部を周ることになった。
飛行機は9月の長崎に引き続きソラシドエア。
西に向かう便では基本的に富士山が見える側の席を予約するのだけど、この日はあいにく雲が厚くて富士山は見えなかった。

巡航高度に移ってからはほぼ下界は見えなくて残念
ソラシドエアの機体デザインも好き

去年の5月の函館旅行の往きのエアドゥで機内販売のベアドゥを購入したきっかけで、飛行機に乗る時はこのマスコットを連れて行き、飛行中はテーブルに載せている。
去年7月の宮崎旅行でJALのCAさんがベアドゥに反応してくれて、話しかけてくれたのみならず、手書きのメッセージ入りのカードとキャンディーと飛行機の模型を特別にプレゼントしてくれた。
ライバル会社の系列なのに。
それ以来、エアドゥはもちろんANAでもCAさんがキャンディーやカードやタグをサービスしてくれることが多くなった。
今回はベアドゥの代わりに9月の長崎のソラシドエアの機内販売で購入したレインボーベアーズと、今回の羽田で衝動買いしたばかりの羽田空港限定のANAベアをディスプレイしたら、やはりCAさんが感激してカードとキャンディーをプレゼントしてくれた。

空弁はいつも穴森おこわ稲荷
後ろ左のソラシドエア・レインボーベアーズ、右のANAベア羽田空港限定、プレゼントのキャンディーの入ったドリンクカップ、前の2枚がソラシドエアのカード

今回のプランではクルマがないとどうしようもないので、空港の格安レンタカーを予約した。
ニコニコレンタカーの系列らしいレンタカーテラス39の鹿児島空港店だ。
格安レンタカーは車種指定で予約が出来ることが多い。
前から乗りたかったスズキのラパンの新車が借りられたのがとても嬉しい。
これだけで鹿児島の旅にして良かったと思う。

レンタカーテラス39鹿児島空港店で借りたスズキ・ラパン
新車で7500kmほどの走行距離だった
とにかく可愛い!!

手続きを済ませてレンタカー会社を出たのが10時10分くらい。
まずは昼食を食べるために「味処 海の勘桜」に向かう。
桜島の付け根をちょっと過ぎた漁港にある食堂だ。
1時間ほどで到着。
ランチタイム前だったので日曜日と言えども待つことなく入店することが出来た。
お刺身とあら煮の定食にする。
桜勘の勘はカンパチの勘だ。
鹿児島の名物である。
お刺身が美味しかったのは当然として、あら煮が絶品だった。
圧力釜で炊いたアラは骨まで柔くて食べられる。
濃厚な味だからご飯が進む君で、いつもご飯を少なめにするのに、この時は言い忘れて、と言うか食券方式だったので言うタイミングがなかった、普通盛りのご飯を難なく食べられた。
これで1000円だから安い。
最初は鹿屋漁港にある「みなと食堂」で食べようと思っていた。
前回立ち寄ってとても美味しかったのでまた行こうと思ったのだ。
ここも当然カンパチ推し。
しかし、人気のお店で日曜日だし到着するのはお昼時真っ只中とあって、待たされることは避けられない。
美味しいご飯のためなら多少の待ち時間は厭わないけど、佐多岬まで行かないとならないので、ここで時間を取られるわけにはいかない。
そこで早い時間に到着できるこちらのお店にしたのだ。
その選択は間違ってなかった。
時間的にも味的にも。

お味噌汁にもカンパチの切り身が入っているし、奥の真ん中はデザートのコーヒーゼリー
これで野口英世1枚だからお得だと思う。
これが絶品のあら煮
目玉以外は食べられた

食後は隣接する海潟漁港で猫を撮る。
食事中に窓の外を見たら、猫がいたので楽しみにしていた。
ここの漁港に住み着いた地域猫が何匹もいる。
残念ながらサクラ猫ではなかったけど、その代わり仔猫もいて賑やかだった。
釣り人が釣ったお魚を目当てにウロウロしている。

海潟漁港にて
海潟漁港にて
海潟漁港にて
海潟漁港にて
海潟漁港にて
海潟漁港にて

美味しいお魚と可愛い猫で身も心も満たされた後は初日のメインの目的地の佐多岬目指して一路南へラパンを走らせる。
南下するに従ってクルマは少なくなり快適なドライブ。
途中休憩することなくひた走り、海潟漁港から1時間50分で九州本土最南端の佐多岬に到着する。
ここには佐多岬灯台もあるのだが、岬の先の小さな島にあり、渡ることは出来ないのが残念だ。
岬や灯台が好きなので、ここには行きたかった。
今回念願が叶って嬉しい。
最南端だけあって南国ムード満点で、ソテツや芭蕉系の植物や気根を出した樹など亜熱帯系の植物ががあちこちで見られる。
駐車場の右手にある歩行者用のトンネルを抜けて岬の展望台に行く。
途中に急な仮設の階段があったりそこそこ距離があるので、展望台に着く頃には汗だくになる。
仮説の階段は7月2日の大雨で遊歩道が崩れたために、臨時で迂回路を設置したからだった。
でも大汗をかいた苦労は展望台からのパノラマで報われる。
日曜ににも関わらず、空いている。
辺境の地まで足を伸ばす観光客は多くないみたいで、展望台からの眺めも独り占め出来る。
しかし、思いついた表現の写真を撮ろうとしたら、中年の夫婦が展望台の先端でのんびり灯台を眺めているので、なかなかシャッターを切れない。
普通のスナップなら後ろ姿を入れて写すのもありなのだが、思いついた写真では人物は邪魔なのだ。
しばらくと言うかかなり待ったのに一向に移動する気配がないので、しびれを切らして仕方なく声をかける。
移動してもらって撮ったのがこの写真。
思い切り露出を上げて白飛びさせてみた。
手摺にもたれた夫婦がいたのでは作画的に邪魔なのは理解してもらえると思う。

お気に入りの1枚


佐多岬灯台は日本最古の灯台のひとつだそうだ。
この急峻な小島にどうやって建設したのだろうか。
灯台の多くが厳しい立地にある。
観光で訪れて、ほんの僅かの距離の遊歩道の険しさに文句を言っていることがいかに贅沢であるかだ。

駐車場に戻りミネラルウォーターとソフトクリームを買う。
1時間10分ほどの滞在で岬を後にした。

佐多岬から垂水港のフェリー乗り場に急いだ。
17時10分発の鴨池行きフェリーに乗るためだ。
Google mapのナビによると所要時間は1時間半で、出航の10分前くらいに到着することになっていた。
間に合わないと50分後の次の便になってしまう。
空いている県道と国道を可能な限り飛ばして急ぐ。
途中で指宿に渡るフェリーが出ている根占の街を通る。
根占は「ねじめ」と読む。
それで小説家のねじめ正一のねじめはこう漢字で書くのかと思ったのだが、今調べたら禰寝と書くことを知った。
初見では絶対に読めない。
と言うか、「寝」をなぜ「め」と読むのか不思議だ。
あるいは「じめ」と読むにしても。

頑張って走ったおかげで垂水のフェリー乗り場には出航前に到着したのだが、乗船レーンに整列する時に、係員から18時の便になることを告げられる。
飛ばした意味がなかった。
日曜日の夕方の時間帯だから鹿児島市内などに帰る行楽客のクルマで混んでいるせいだった。
ゲストハウスに到着するのが遅くなるので電話した。
小一時間待つことなる。
しかし、遅くなったおかげでちょうど夕暮れのマジックアワーが船上だったので、これはこれで良しとしよう。
暮れゆくフェリーでいただいた名物のうどんは旅情を感じて格別だった。
乗船時間は40分なのでしばしの船旅である。
ラパンの航送料金は1900円。
このフェリーは垂水港側に高速道路の料金所みたいな料金所を通過する時に料金を支払うシステムなので、いちいちクルマを降りてチケットを買わなくて済む。
そう言えば自分の運転するクルマでフェリーに乗ったのは前回の鹿児島旅行の時の桜島フェリーが初めてだった。
その時は緊張した。
いや、今でも緊張する。
立体駐車場にクルマを出し入れする時と同じ緊張だ。

垂水フェリー埠頭
デッキの上から
フェリーに載ったラパン
桜島
対岸の薩摩半島

鴨池港からは20分ほどで鹿児島市内のゲストハウスに着いた。
前回は鹿児島港にほど近いアパートのグラシアスに泊まったのだけど、今回は易居町にあるイルカゲストハウスにした。
予約が電話のみなのがちょっと面倒だったけど、オーナーの明美さんが気さくな方で、ここにして良かった。
ドミトリーではなくて個室にした。
階段しかないのはゲストハウスならでは。

夜ご飯を鹿児島中央駅のアミュプラザにある「ざぼんラーメン」に行く予定だったのだけど、ゲストハウスに着いて改めてチェックしたら、昼間に行くはずだったみなと食堂の支店が徒歩7~8分のところにあることが分かったので、予定を変更してそちらに向かう。
鹿屋漁港の本店は漁協がやっているオシャレさのかけらもない素朴な食堂だったけど、2号店はビルのテナントのコジャレタお店だった。
夜はお酒もセットになっただれやめセットがあったので、それをオーダーする。
ビールとお造りと腹骨塩焼きとエビのかき揚げで1000円とリーズナブルだ。
お酒はちょっとで良いし、お料理もそんなに食べないので嬉しい。

普段はビールは飲まないけどこう言う時は無性に飲みたくなる。
でもそんなにたくさんは飲めないのでグラスビールで充分だ。
お造りも塩焼きもかき揚げも美味しい。
安い居酒屋とはレベルが違う。
だれやめとは鹿児島・宮崎など南九州の方言で1日の疲れを晩酌で癒すの意味で、だいやめとも言う。
行こうと思っていたざぼんラーメンにもこのセットがある。

ゲストハウスに戻るとリビングに男性ゲストがいたので、どちらからですかと聞いたら地元鹿児島県の人で、鹿児島市内から一番近い竹島から来たとのこと。
少しお話しする。
先月長崎旅行で島に行った話をしたら興味を示してくれた。
ホテルで他の宿泊客とコミニュケーションを取ることはほとんどないけど、ゲストハウスだとお話ししたり親しくなったり出来るのが良い。
オーナーの明美さんが電話予約のみにしたのは、ネット予約だとお客さんがどんな人なのか顔が見えないのが嫌で、敢えて不便な電話予約のみにしたそうだ。
それに目一杯のお客さんを泊めて忙しくなるのも好きじゃないと。
せっかく泊まってくれたお客さんとゆっくりお喋りすることの方が大切だと言う考えは同意しかない。
お金を儲けることよりも人との出会いは素敵だ。

このところ宿泊先をホテルからゲストハウスにシフトしたのは、経済的な理由もあるけど、多少の不便さやプライバシーに難があっても、人との出会いを優先したいと思ったからだ。
今回の選択も間違っていなかった。
どこかに行くと言うよりも誰かに会いに行くのが目的の旅。

②に続く。

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