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『STAND BY ME ドラえもん2』とPRの本質

前作で大ヒットを飛ばしたのは、もう
6年も前のこと。
3DのCGアニメというユニークな見せ方
で、独特の世界観を築いたのが、
映画『STAND BY ME ドラえもん』
である。
その続編ということで、きっと興行主
の期待も大きいだろう。
11月20日、つまりは今週の金曜日から
上映開始だということで、PRの展開が
佳境を迎えている。

ゲスト声優陣が豪華である。
妻夫木聡に宮本信子。
バカリズムに羽鳥慎一。
主題歌を歌うのは菅田将暉。

応援メッセージを寄せる芸能人も
これまた旬な人たちを揃える。
今回、のび太としずかの結婚式
シーンが出て来るようで、
「結婚応援団」と銘打ち、
以下の方々が名を連ねている。
◎ 池田美優(みちょぱ)
◎ 糸井重里
◎ 岡部大(ハナコ)
◎ 児嶋一哉(アンジャッシュ)
◎ 鈴木福
◎ 徳光和夫
◎ 蜷川実花
◎ 古市憲寿
◎ フワちゃん
◎ ゆきぽよ

国民的なマンガと言ってよい
ドラえもん、ファンもかなり
多いゆえ、その興行成績には
大きな期待がかかる。
それゆえ、広告、PRにも大きな
力を入れているはずだ。
宣伝クリエイティブディレクター
兼応援隊長として、佐々木宏さんが
名を連ねている。

佐々木宏さんと言えば、日本を
代表するCDとして、泣く子も黙る
数々の偉業を打ち立ててきた方。
手掛けた作品は、サントリーBOSS、
ソフトバンクの白戸家シリーズ、
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」
などなど、枚挙にいとまがない。
元々は電通ご出身で、2003年に独立
して「シンガタ」を設立され、今も
現役バリバリ。

そんな偉大なるCDが手掛けた宣伝に、
私如きがケチをつけたところで
誰も相手にしてくれないだろうと
いうことは百も承知で、違和感を
表明しておきたい。

「ドラ泣き、ふたたび。」

このキャッチコピーに、強烈な
違和感を覚えたのである。

感動の涙を流すかどうかは、
観る側が決めること。
泣けるから観に来てねという
メッセージは、正直言って
かなり興醒めである。

PRの本質は、一般大衆=世間との
良い関係性をいかに構築するか、
その一点にある。
世間が「いいね」と思ってくれる
かどうかがカギなのだ。

売っている側から直接的に
「これ、いいでしょ!」
「素敵でしょ!」
「最高でしょ!」
と言われたら、あまりの押しつけ
がましさに嫌気がさすのではない
だろうか。

これが、第三者から
「あれ、いいよ!」
「素敵だったよ!」
「最高だったよ!」
という声を聞いたら、かなり心が
揺れ動く。
ことに、その第三者が、自分が
気心知れた友人であれば、ほぼ
確実にそれを試すことになるの
ではないか。

ドラえもんを広告で売り込む側
から、「ドラ泣き」などという
キーワードまで作られた上で、
「泣けるから観に来て!」
と直接的に言われたら、余程の
ファンでない限り気持ちが醒める
ように思うのだ。

自ら語らず、メディアやファンの
方々、あくまでも第三者の口から
語ってもらうことで、信憑性や
信頼度が増す。
PRを考える上では、そこを外しては
いけないということを改めて感じた
のだった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。