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【感情紀行記】盲目の余暇

 暇とは大変苦痛なものである。特に自分のような万物に思いを巡らせ、自分自身に対しても疑義の念を持ってしまう人にとって、何もない時間を多量に与えられることは精神的に安堵の時間ではないのである。どこかの哲学的偉人が「我思う、故に我あり。」と言っていたようだが、その我の存在価値に、今行っている行動にすら思いを巡らせてしまう時間なのである。そんな考えは、自分は幸せになれないのではないかという将来への不安に繋がる。

 この解決方法はただ一つ。何かに没頭することなのだ。読書をする、友人と話す、どこかへ出かける、書き物をする。これこそが暇を乗り越える方法なのだ。何かに没頭する、盲目になって何かを突き詰める。全身を何かに集中し、取り組む。盲目の余暇は心酔に値する。

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