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『大正、阿佐ケ谷、高円寺。』上梓☆
前回の投稿からかな〜り間が空いた。八月からこっち、☟この書籍の制作にかかり切りになっていたのだった。
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2023年9月8日追記:本体の印刷製本を外注した会社からのご依頼で、去る1月26日にお受けしたインタヴュー記事の事前チェックご依頼が8月29日にあり、3回ほどのやり取りを経て昨日ようやく公開された由☟
書誌情報
『大正、阿佐ケ谷、高円寺。』
編集:図版研
装幀+巻末附図折り込み設計:ねこの隠れ処
DTP+文字校正+巻末附図組み立て投げ込み:図版研レトロ図版博物館
印刷日:二〇二二年十月二十六日(ただしラパ(=カバー)+帯は同年十一月十九日、巻末附図は同月二十一日)
印刷者:本体は第一資料印刷株式会社、ラパ+帯+巻末附図+検印紙は株式会社グラフィック
発行日:二〇二二年十一月三十日
発行:図版研レトロ図版博物館
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造本情報
判型:A5タテ(実測210×150mm) 342ページ(+本扉+序文4p. +巻末附図4丁+奥附)
束幅:24ミリメートル(ただし巻末附図組み込みのため小口側は実測34mm)
ラパ+帯:マットコート135kg(B3判に抱き合わせ面付け、袖の折り込み加工の上小型断裁機にて切り分け)
表紙:アラモードホワイト180kg(背部分裏面を製本用テープにて補強)
見返し:色上質紙特厚口もえぎ
本扉:マーメイド白135kg
本文:淡クリームラフ書籍用紙71.5kg
附図:地図は竹はだGA135kgA3変型判(400×269mm)、参考図版は竹はだGA135kgA5変型判(145×207mm)
検印紙:竹はだGA135kgA4判に十六面付けしたものをデザインカッターにて切り分け
印刷:オフセット印刷
製本:包み製本糸縢り綴じ(ただし附図は製本用酢酸セルロース糊にて手貼り)
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本体は八月二十四日発注、入稿データは初校が九月一日、無線綴じ+オンデマンド印刷での見本を確認しての再校が五日、印刷工程が二十七〜二十九日に終わってそこから製本工程、縢り綴じ見本の確認が十月十一日、納品到着が二十六日。
別注のラパ+帯や附図は縢り綴じ見本を使って設計、十一月十一日印刷発注、同日中入稿完了、前者が十九日、そして後者が二十一日納品到着。
附図の投げ込み設計は印刷物現物が届いてから詳細検討の上、追加の断裁、折り方手順、貼り合わせ位置調製と糊打ち手順、本体への取り付け法などがほぼ確定した十一月三十日をもって発行日設定。
なお今回の記事の終いのところの「補足情報」☟に出てくる別冊附録は、八月二十八日に企画追加、九月五日から十一月十一日まで図書館・博物館・公文書館などの各施設での資料調査と図版研レトロ図版博物館での資料調達、本篇年内刊行を優先するため本篇との同時発売計画を取りやめ、編集作業を一旦打ち切ったのが十四日。
本書について
大正十五年に出た『杉並町誌附町名鑑』という、東京都杉並区の北東部、つまり今の高円寺・阿佐ヶ谷あたり(そして荻窪駅北口附近の北東側)がひとつの町だったころの、いわばタウンガイド本を影印版として覆刻したもの。
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原典は今年七月末に収蔵したのだが、綴じの鉄線が腐蝕して分解しかかっていて、背が破れそうになっていた。
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八月上旬、その補修のためこの本を分解した際、撮り直しや画像補正も含め一週間ほどかけて全ページスキャニングをおこなったのだが、戦前期の杉並資料刊行物は非常に少ないことに加え、この本を読んでみるといろいろな意味ですこぶる面白い資料であることがわかり、著作権保護も切れていることだし折角ならば、ということで急遽覆刊企画が持ち上がったのだった。
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とはいえ原題は長くてカタい、図版はそれほど多くない上にすべてモノクロ、しかも旧字旧仮名文語文、と現代一般人、ことに若い世代にとっての取っ付きがはなはだよろしくないため、新たに『大正、阿佐ケ谷、高円寺。』という題名をつけ、表紙のデザインもポップな感じを目指してみた。
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ありがたいことに、取り敢えず高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪にて一ヶ所づつ、お取り扱いくださるお店が決まった。
昨日までにご注文の一部または全部をお納め、多分この週末あたりに各店ともご発売の見込み、となったところでようやく皆さまへのおしらせに漕ぎ着けた、というワケ。
内容紹介
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さて、中身をちょこっとご覧いただくとしよう。
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当時の町内風景写真が、巻頭図版や地元商店の広告などに載っている。
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最初に載っている「杉並町誌」は、当時の町のあらましがわかる資料集。
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中央線高円寺駅・阿佐ケ谷駅の開業時からの月別乗降客数もわかるし、…
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…明治初年に成立した杉並村から、町になるまでの歴史も紹介されている。
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それから町内にどんなお仕事をしておられるお家があったのか、とか…
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…どんな組織が運営されていたのかもわかるし、…
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…そこに名を連ねておられる方の多くは土地の名士だったのだろう、という想像もできる。
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官公署や駅など、実はこれでフルメンバーだったりしたのかしらん。
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つづく「杉並町主要人名録」は、町のどこにどんな職業の人々がお住まいだったのかを教えてくれる。東京以外のご出身者はほぼすべて、中央線が敷かれて以降の新しい住民たちだろう。
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そして「杉並町著名営業案内」には、業種別のお店所在地一覧が。
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医療関係は別のリストになっている。
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子どもが続々産まれる環境だったんだな、というのもみえてくる。
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最後に載っている「大東京計画と高円寺耕地整理」には、…
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…今日では暗渠になってしまっている、近郊農村時代の用水路網が造られたいきさつなども出てくる。
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編者の南雲武門については、…
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…杉並区産業地域センター観光係で運営されている情報サイト「すぎなみ学倶楽部」の「ゆかりの人々」コーナー☟で紹介されているのでどうぞ。
わずか半年ほどでこれだけの情報をあつめてまとめられた、その行動力と新聞記者・編集者としての力量とには、目をみはらざるを得ないだろう。
巻末附図について
百年近くも前の、こんなにくわしい高円寺・阿佐ヶ谷地域の情報がまとまってみられるのならば、欲しくなるのは当時の詳しい地図じゃないかしらん。
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……ということで巻末につけることにしたのが、杉並区が成立する前年の昭和六年に発行された『番地入最新杉並町全図』。
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A1判に近い大判の地図を原寸大のまま四つに分割して、少なくとも東西どちらかの南北部分を本文と同時にご覧いただけるよう、特殊な折り込み方で投げ入れてみた。こうすることで、こまごまと書かれている番地が町のどこに当たるのかが一目瞭然になるはず。
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さらにこの地図、高円寺駅周りには幻におわった鉄道計画路線や、現在の環状七号線をおもわせる二十五メートル幅計画道路などが載っているし…
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…天沼や阿佐ケ谷駅附近を東西に幾筋もはしっている水路や…
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…そして成田のあたりの入り組んだ流路が詳しく描かれていたりもして、マニアックな街歩きの下調べなどにも大いにご活用いただけるのではないかと考えている。
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ところでこの「ヨコのものをタテにする」折り込み方、デザインを担当した ねこの隠れ処 でたしか明治二十〜三十年代くらいの資料にこんな風な実例があったような憶えがうっすらあったとか……機会があれば是非いっぺんやってみたかった、ということで今回採用となったのだった。
だから折り方のカタチそのものはオリジナルではないはずだが、組み立て手順や折り目のつけ方などは独自の考案、ということになる。
お取り扱い店について
本書の現時点でのお取り扱い店は、お請けいただいた順に……
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☆荻窪・本屋 Title
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☆阿佐ヶ谷・Café de Variété
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☆高円寺・コクテイル書房
中央線沿線から南北方向へもう少し離れたところにも、できれば販売拠点を確保したいとおもっているところ。
なお、お納めした後のお扱いについては各店に委細おまかせしてあるので、
販売価格
発売開始日
ご在庫状況
通販ご対応可否
などはそれぞれのお店にお問い合わせいただきたい。
それから図版研レトロ図版博物館では、基本的にお取り扱い店への卸し、そして同館会員の方向け特価販売のみ。
補足情報
この巻末附図は組み立てに非常に手間がかかるため、切ったり折ったり貼り合わせたりの仕込みだけ先にやっておいて、ご注文を受けてから組み立てて本体に取り付ける「にぎり鮨方式」を採らざるを得ない。
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お店でご在庫を切らしておられる場合は、まことに恐縮ながら入荷まで何日かお待ちいただくことになる。悪しからず……。
それから、本書を区政施行九十周年・高円寺駅+阿佐ヶ谷駅開業百周年という節目の年である二〇二二年中にどうしても出しておきたかったため、先の「造本情報」☝にも書いたように、途中で新たに追加企画されたものの同時発行は間に合いそうにない別冊附録は十一月半ばで一旦制作作業を中断、続きは来年に先送りすることになった。
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図書館・博物館・公文書館など各施設のご協力が得られ、材料となる知られざる杉並資料が思いがけずだいぶ集まったこともあって、作業が早々には終わらなくなってしまったのだが、判型や造本なども含めてどのようなカタチにしたらもっと使いやすく面白いものになるか改めて検討の上、焦らず腰を据えて拵えていく予定。
もし何かしらご協力いただけそうな方がおありならば、お気が向かれたときに当館へご一報くだされば幸い。
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