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こてつ
2022年12月18日 08:11
「ねぇ、青い猫型ロボットぉ、退屈だよぉ、なんか面白いモノ出してよぉ」「なんや、しゃあないなお前はいっつも。暇やったらちょっとは勉強したらどやねん。お前の友達のあの子、よう勉強出来る子おったやろ、あの勉強出来過ぎる子や。ちょっとは見習わんかい。風呂場の女の子覗いてばっかりしてんと。そうゆうのヘンタイゆうんや。あーあ、ほんまに。しゃーない、もう今日だけやからな。最後やぞ。(テレレレッテレー)日雇い
2022年12月17日 23:06
既に女はそこにいた。男がいつ来たのかと聞くと、ややあってから目も上げず六時頃だと言う。それから今までざっと三時間、女は次々にリトマス試験紙を細く筒状に丸めている。傍らには完成した山と役目を終えた山があった。男は女に訊いた。「何度目だ?」「次が五回目です」「度で訊いたのだから、度で答えたまえ」「次が五度目です」「よろしい」 女は手を止め、顔に逡巡の色を湛えている。「この状況で『次が五
2022年12月16日 08:13
西の空に充満した黒雲がどんどん迫ってきて、じきにここも雷雨にやられると職人たちは口々に言い、その声に休息への宿望が滲んでいた。作業の手を止め、資材をシートで覆い、彼らは充てがわれたプレハブの詰所へと潜り込んだ。忽ち雷霆が頭上で轟いた。ぐっと身を屈める大男の隣で、茶を手にしてぽかんと天井を見上げる小男の取り合わせ。簡易な造りがびりびりと震えたかと思うと、間をおかずにピカッと光って