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こてつ
2022年12月17日 21:51
町の底に凝った靄は、ある部分がまとまりを帯びて濃くなったと思えば、薄らいで離れたり、そんな風にして漂っていたが、そこに突如強い光が射し、絹のようだった靄が俄に粒立った中を車が貫いた。靄は素早く揺れ、渦を巻いて千切れたが、暫くするとまた浮かびあがるようにして濃さを改め、その薄片が粘りながら融合するのだった。
2022年12月16日 08:21
夜の空に閃光が走って、あれは天狗星。深山へ下りて人界に紛れようと、嘴鋭く、大目玉を見開いて、背中の翼は紫のゆらめきを僅かに帯び、無数の松の影の間を飛び抜く姿は妖獣の類。狗か鳥か、混じりものか、怖じ気か。