はるか

自分ができる1番いいものを世に出したいけど、 そんなことしてると何にも世に出せないので…

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自分ができる1番いいものを世に出したいけど、 そんなことしてると何にも世に出せないので 出したいものと出せそうなものを投稿します。

最近の記事

チョコレートバー

冬の冷たい夜に 紅茶の美味しいカフェ  オレンジ色のライトの下で 私が「ごめん。」って言って、  あなたは「じゃあ、昨日のことは忘れよう。」って言った。 ワスレヨウ・・・わすれよう・・・ いつもは買わないレジ前のチョコレートバー。  すぐにカゴに入れたのは パッケージに「忘れろ!」の文字があったから。 でも やっぱり わたしは 食べなかった。 「忘れろ」は 変わらず 冷蔵庫で  命令形の「忘れろ」のまま。  宙ぶらりんの わたし  あなたの 

    • 父さんのたんじょうび

      かれこれ25年も生きているので 累計で何百、何千回と誕生日のお祝いを見てきたし聞いてきたし、言ってきたはずだ。 なのに、今日はチャットの入力画面の前で私の指は動かなくなった。 今日は世界で一番強くて頼りがいがあるけど、同時に世界で一番弱くて繊細な 「父さん」という生き物の誕生日だから。 とっておきの一言を探していた。 画面にとりあえず「誕生日」とだけ打ち込んでみた。 その文字を見ながら、 私は父さんの誕生日がなんだかよく分からないものであるこ

      • 雨の日の日記

        パチパチ と 朝から建物に何かが当たるような音がしていた。 コーヒーを入れて、本を読み始めた。 外はまだ暗かったが少しずつ空が明るくなってきて窓に雨粒がついていることがはっきりと見えた。 やっぱり雨だ。 止みそうにない。 窓にかかっているテルテル坊主が寂しそうに揺れている。 本を半分ほど読み、顔をあげるとだいぶ時間がたっていることに気付いた。 東向きの窓なので、私の部屋には、いつもはここぞとばかりに朝日が差し込んでくる。 しかし、今日は、もう

        • 罪悪感

          長い髪を後ろできゅっと一つにまとめて ピンと背筋をのばした。 静かな部屋。 角イスの上にあぐらをかいて座り、 岩の上の修行僧を思った。 窓から吹き込む 春先のまだ冬のにおいを残した風が 私の肌を冷やしている。 私は、手にした先のとがった箸をゆっくり開いて 先端で黄色く光る一枚を丁寧にとらえた。 そのまま口を大きく開けて パリッ  うん、やっぱり、Lays のサワークリーム味が一番。

        チョコレートバー

          女友達

          わたしは、また固まっていた。必死に考えを巡らせていた。 大きなショッピングセンターの中の雑貨屋をでたところ。 いや、実際にはきっとどこも硬直してはいなかったけれど、一度時間がほしいと強く思った。 「じゃあ出たところにいるから。」 と、ナナちゃんに言ったのは、ほんの三秒前だった。 ナナちゃんがほしいものがあると言ったので、もう一人の友人と合流する前に立ち寄った雑貨屋。 ナナちゃんは文具コーナーで趣味の絵に使う紙を様々に比べながら慎重に選んだ。 わた

          パン

           う、カビ臭い。 朝ご飯のチーズののったパンは、一口目で独特のにおいをかすかに放った。  チーズ特有のにおいが強すぎたのであればいいんだけど。  いや。  わたしが買ったのはスーパーで一番安いものだったはずだ。特別なにおいなんてあるはずがない。  と思いつつも、せっかく口に入れたものだし、気のせいだったかもしれないと自己暗示しながら  簡単にかんで、ごくりと飲み込んだ。    実は昨日から知っていた。そのパンにカビが生えていることを。  今日はチーズをのせ

          てがみ

          ああ、子どもっぽい。  書き順が違うことが一目でわかる崩れた漢字。  「半年間 会えないのは寂しいな…」  ひらがなだってなんだかいびつで、小さいころからちゃんと勉強してこなかったって すぐわかる。だから 大学を中退なんかしたんでしょ。  誇らしそうに「これが俺の考えやから 後悔してへん」とか言って、言葉の裏の不安は丸見えだったのに 私と会えない間に バイトまでやめた。 わたしがとなりで支えられないってわかってたよね。 本当に頭悪い。 ******

          目覚め

          夜の黒がだんだん薄くなって、細い雲の影をはっきりと映し出している。 部屋はまだ暗い。 わたしはベッドの上に横になって さっきまでの 夢の続きなのか わたしの理想なのか 遠い過去の話なのか とりとめもないことを ぼうっと 考えながら、開けっ放しのカーテンのかかった窓の方をみている。 不意に咳が出た。 ああ、そういえば 風邪が流行しているとだれかが言っていた気がする。 乾燥した風を吸い込んだのどが、少し痛い。 何か飲むことが頭を一瞬よぎって、でも そのまま また目を

          それでもなんか書いてみようと思うんだ

          「で、何がやりたいの」 結局わたしはずっとこの質問に答えられていない。 いろいろ考えたあげくに、 答えらんなくてもいいかな。 と思っているんだけど、やっぱりなんだか不安なので「書く」ってことをしてみることにした。 書いてみようなんてこれまでもさんざん思ってきたけど、そいえば続かなかった。だいたい、どのツールに投稿すればいいのかわからないし、投稿用の文章だと思った瞬間に、友達の顔が浮かんで、言葉選びが慎重になる。 まあそんなのはきっと言い訳でまあ、なんか、めんどくさ

          それでもなんか書いてみようと思うんだ

          大切にしたいことを大切にしたいだけなんだ

          ああ、消える… わたしの感じていること 考えてること あなたがくれた ささやかな言葉で心があたたまったこと きらきらした太陽の下でのまどろみ どうしても明るくできなかったあの子の表情 みんなが正しいって言うことに大声で「嫌だ!」と叫びたくなった一瞬 消える…消される… わたしの中で確実に何かがうごいた、うずいた それを知ってるのはわたしだけ なのに 車の音や 周りの大人や 世の中にかき消されて 時には 車や 周りの大人や 世の中のために必死にかき消して それでも「

          大切にしたいことを大切にしたいだけなんだ