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雨の日の日記


パチパチ と 朝から建物に何かが当たるような音がしていた。
コーヒーを入れて、本を読み始めた。



外はまだ暗かったが少しずつ空が明るくなってきて窓に雨粒がついていることがはっきりと見えた。
やっぱり雨だ。
止みそうにない。
窓にかかっているテルテル坊主が寂しそうに揺れている。


本を半分ほど読み、顔をあげるとだいぶ時間がたっていることに気付いた。

東向きの窓なので、私の部屋には、いつもはここぞとばかりに朝日が差し込んでくる。
しかし、今日は、もうすっかり朝なのだ、と理解するのにも時間がかかった。
空はどこまでも灰色。道の水たまりをよけて歩く人が見える。どんよりとした景色だ。


雨の止み間を見てスーパーへ行き、ついでにゴミ出しもすませた。

買った物を使って料理。

料理は友達に教わったレシピで案外うまくでき、
写真を送ると彼女はとても喜んだ。

そういえば今日初めて見てみたドラマはわりと面白かったっけ。


真っ暗な朝だったが、実際はいつもよりすっきりと目覚めていた。
何でもできる気がする、なんて気分で起きたのは何日ぶりだったろうか。


そうだ、雨の日に「今日は暗い一日だった」と日記に書かなければならないというルールはどこにもない。

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