ミツメ - エスパー

ドライブのとき、多くの人は、好きな曲を流して楽しむ。

でも今回のたびでは、風景や空気、考え事を楽しむことが優先されていたために、音楽を流すことは少なかった。

それでもやはり、ながれていく景色を見ていると、自然とメロディーが頭の中に浮かんでしまうことがある。

その一つめは、この曲だった。

半年ほど前にリリースされて、やみつきになって何回も聴いた曲だ。

淡い。とても淡い。儚い。せつない。でも爽やか。

そんな感じの曲。

なんというか、とてもキャッチーではあるのだけど、同時に、すごくつかみどころのない感じがあって、それがリアルな”ふたり”の関係性や記憶の曖昧さを表現しているとおもうのだ。

この曲のMVもぼくをやみつきにした大きな要因である。
フィルムライクな映像や光の淡いちらつき、目元の大写し、また歌詞の端々から”記憶”の気配が漂っていて、曲のエモさを増長している。
ここに映っている、道路や家が整備されひっそりとした街並みは、どこか郊外の住宅地だろう。
そしてこの住宅地の風景は、まさにぼくの生まれ育ってきた埼玉の郊外の風景と重なるのだ。
だからぼくはこの曲を聴くと、自分の中にある、人に語れるようなドラマチックなエピソードには決してならない、なんでもない些細な記憶を思い出して、愛でるのである。

それもあって、国道246を走っていたときに、ふと住宅街の連なる屋根々々をみてこの曲が再生されてしまったのである。

な〜がくのびたか〜げ〜♪

という具合に。


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