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読書感想文 | 和英標準問題精講

 最近暑い。あまり頭を使いたくはない。けれども英語学習はつづけたい。

 毎日、英語の学習というか、趣味で英語を学んでいる。別に普段英語を使わなければならない状況にあるわけではないから、英語に触れる必然性はまったくない。

 けれども、中学生の頃からの習慣だから、まったく英語に触れない日があると気分が悪くなる。普段はどんなに忙しくても、1ページだけでも、読みかけのペーパーバックの英文を音読している。

 とはいえ、こう暑い日がつづくと、何もしたくなくなる。仕事でもないのに、英文を毎日20~30分英文を音読するのはけっこう疲れる。汗も垂れてくる。たとえそれが好きなものだったとしても。

 それで、無理しても仕方がないから、最近は軽めの学習をしている。
 先週から、旺文社の大学受験の参考書「和英標準問題精講」を再読している。

 いちおう私は英検1級をもっている。だから、この参考書には、私の知らない単語は1つもない。内容的に非常に簡単に思える。「この単語が分からない、調べよう」とか思いながら読む英文学の読書よりハードルは非常に低い。
 けれども、やはり伝統的な参考書には学ぶべきことはある。

 英作文の参考書だから、日本語を読んで頭の中で英文を思い浮かべる。そして、だいたい模範解答通りの英文が頭に浮かぶ。場合によっては、私ならもっと違う表現を使うだろうな、という英文もあったりする。

 だから、新しい知識を吸収するというよりむしろ、知識の整理をするという感じで読み始めた。


 私がちょっと感動したのは次の英作文問題。


問題 

「別にすることもないので新聞を繰り返し読んだ」

(出所)前掲書 p213


私は頭の中で、次のように英訳した。

Having nothing particular to do, I repeatedly read the newspapar. 


そのあと、模範解答を見たら(いくつか複数の解答が掲載されているが)、次のような解答が載っていた。

Since I had nothing better to do, I read the newspaper over and over again. 


注目したのは、「別にすることもない」のところ。

I had nothing better to do.

おお!、これでいいのか!と
なんかとても感動した。

もっと何かいいことがない」で「別にすることがない」を表現してる!!


 語学の達人・関口存男は、「語学は達人に近づくほど、俗人に近づく」みたいなことを言っていた。

 語学は学習が進めば進むほど、より多くの単語を知る。他の人が知らないような単語も知悉していくことだろう。

 しかし、達人に近づくほど、より多くの人が「これを表現するなら、これを使うだろう」という表現を使うようになる。その意味で「俗人」(一般人)に近づく。

 語学に堪能な人は、さまざまな表現を知っているから、難しい表現を使いたくなることも多いだろう。
 しかし、本当に堪能な人は、最も一般的な表現を使うものである。標準中の標準を瞬時に見いだせる人が「語学の達人」なのだと私も思う。

 昔話になるが、英語をペラペラしゃべれるっていいな、と思ったことがある。次から次へと相手に話しかけている人を見て、「ああなりたい」と願ったこともあった。

 しかし、今振り返ってみると、ペラペラしゃべっていた人は、その場に最も合致する表現を見つけることが出来なかっただけではないか?、と思う。

 達人だったら、二言三言だけで済ませるところを、いろいろな言葉を発して空回りしていたのではないかと。

 本当の英語の達人は、英語をペラペラと話すことはない。鈴木大拙が好例だろう。

 話がだいぶ飛んだが、語学をつづけるには、難しい内容のことを学ぶだけでなく、簡単な内容のことを織り混ぜながら学習するほうがいいのかな、と思う。



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