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短編小説(410文字) | タイムスリップコップ

 一山越えて故郷に戻ろうとしていたとき、ふと自分の限界にチャレンジしたくなった。
 山より少し高い空しか飛んだことがなかったが、もっと高く飛んでみたくなった。
 私は一介のカモメに過ぎない。だから空気がない所を飛ぶことはできない、と思い込んでいたのだ。しかし、今、大気圏を遥かに越えた宇宙空間にいる。

 何事もやってみるものである。とりあえず首に水を湛えた一杯のコップをぶら下げているが、まだ喉は乾いていない。そして不思議なことに、息苦しさもまるで感じない。

 そうだ!

 だったら、別に地球にいる必要などないではないか?
 私は地球を去り、宇宙の果てを目指した。

 どこまで来たのだろう?
 遥か彼方に小さくなった地球が見える。目を凝らした。すると、不思議な光景が目に飛び込んできた。
 地球上を我が物顔で闊歩する恐竜がいた。もっと目を凝らしてみた。そのとき、巨大な隕石が地球へ向かっているのが見えた。「助かった」と私は快哉を上げた。

410文字

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