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サピア・ウォーフ仮説
人の思考や認識は、その人の母語によって影響されるという仮説。
サピアとウォーフという2人の言語学者の名をとって「サピア・ウォーフ仮説」と呼ばれている。
思考や認識に影響を与えるものは、生まれ育った国の文化や政治経済も関係するから、純粋に言語による影響だけを取り出して、言語による影響の度合いを調べることは難しいかもしれない。
しかしながら、言語が思考・認識に大きな影響をもたらすことは、間違いないだろう。
たとえば英語と日本語を対照してみよう。
英語は基本的に「SVO」(主語・動詞・目的語)の順で文が構成される。それに対して、日本語は「SOV」(主語・目的語・動詞)の順で文が構成される。
だから、英語を話したり読んだりするときは、「主語」を聞いたら、次に来る「動詞」を待つことになる。それに対して、日本語の場合は、「主語」を聞いたら、次に来る「目的語」を待つことになる。
「~である」のか「~でない」のかは、英語の場合は、目的語を聞かなくても先にわかるが、日本語の場合は最後まで聞かないと、肯定なのか否定なのか判断できない。
また、名詞を修飾する場合、英語では「先行詞」のあとに「関係代名詞」節が続くが、日本語では修飾語句は、前置される。
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」。一番最後は「そういうものに私はなりたい」。
ここがこの詩の「オチ」になる部分だが、そのまま英語になおすと、
I want to be a person who ~.
となってしまって、面白くなくなってしまう。もちろん、翻訳の工夫はある程度できるかもしれないが。
英語の文章を翻訳するとき、たいてい一文一文日本語に翻訳していく。しかし、英語の発想と日本語の発想が異なるのだから、場合によっては、パラグラフごと前後を入れ替えたほうがいい場合もあり得るだろう。
以前も何度か書いたが、結論を先に言うPREP法は、「英語の発想」に近い。
英語を話すときは、
Do in Rome as the Romans do.
ということで、PREP方に従い、
日本語を話すときは、
「郷に入っては郷に従え」
ということで、anti-PREP法なんてどうでしょう😄❔
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします