読書 | 二人のマッド・サイエンティスト
ここ1ヶ月の間(8月上旬からつい最近までの間)、ガルシア・マルケス「百年の孤独」(新潮文庫)と並行して、H.G.Wellsの"The Island of Dr Moreau" (signet classics)を読んでいた。
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」は、初めて読む作家ということもあり、どう読めば良いのか?というコツがつかめなかったので、未だに内容が頭に入っていない。
それに比べると、ウェルズは中学生の頃に「透明人間」(もちろん日本語で)を読んだことがあるので親しみがある。
「ドクター・モロウ」は、邦訳で読んだ経験がないのに、英語で読んでその内容は頭の中に入ってきやすかった。実は数年前にも読んだことがあったりするのだが、初見のときもほぼ完璧に内容を理解できたと記憶している。
「ドクターモロウ」を数年前に読もうとしたきっかけは、ギッシングの「ヘンリ・ライクロフトの私記」。
ギッシングの「ヘンリ・ライクロフト」は何回も通読している私の愛読書の1つだが、名前こそ伏せられているがウェルズとおぼしき人物が登場する。
「ヘンリ・ライクロフト」は一応小説という体裁をとっているが、主人公ヘンリ・ライクロフトは、ギッシング本人の心の声を代弁しているエッセイだと考えられている。ギッシングが純文学系なら、ウェルズはSF作家だから、その内容に共通点はあまりないが、無二の親友だったようだ。だから私はウェルズに再び関心を持ち、「ドクター・モロウ」を読んでみようと思ったのだった。
「ドクター・モロウ」の詳しい内容や、英文の文法解析の記事はあとで書けたら書こうと思っているが、この本は英語多読学習をするにはとっておきの本だと思う。
その理由は…
①
1つの章が比較的短く、方言や登場人物などの固有名詞が少なく英文にクセがないこと。
②
適度に複雑な構文が使われていて、文法的な力を身につけやすいこと。
③
それほど分厚くないこと(解説まで含めても200ページ弱)。
④
100年以上前に書かれたのに、内容が古びることなく現代的であること。
⑤
難しい語句はあるが、高校生程度の語彙力があれば十分に読み通せること。
⑥
ストーリー展開など、内容的にも面白いこと。
これだけ私の「本選び(英文)の基準」を満たす本はあまりない。よい英語の勉強になる。
加えて、ウェルズの書いた小説本編だけでなく解説文もなかなかの名文。
あとがきに、「フランケンシュタイン」のストーリーの概要や「モロウ」との比較、人体実験に関することが書かれている。ここを読むだけでも価値がある。
ちなみに「フランケンシュタイン」は話の概要は知っているが、まだ原書も邦訳も読んだことはない。
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