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<第2回>仕事の悩みはすべて対人関係!? 不寛容社会で幸せをつかむ法

『嫌われる勇気』岸見一郎&古賀史健著(ダイヤモンド社)

➊イントロダクション~アドラー心理学はビジネスで活用できるのか?

国内累計200万部突破のベストセラー『嫌われる勇気』で、アドラー心理学を知った人も多いのではないでしょうか。ちなみに、「日本での知名度は、欧米に比べて低かった」と、本文でも言及されています。

「心理学? なんだが難しそう……」
はい、それで大丈夫です。(笑)
本書は、「哲人」と「青年」との対話形式で進みますが、青年は「ううむ」「頭が混乱してきました」などと、とにかく苦しみます。自分に落とし込むことができずにいるのでしょう(もっとも、すんなり理解されても、読んでいて面白くないですが)。

こんなときこそ、動画を観てみましょう!
人気ユーチューバーも採り上げています。

今回も、本書の気になった部分を少し抜粋してみました。

"怒りとは出し入れ可能な「道具」"
"「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」"
"「人生の嘘」"
"「課題の分離」"
"「自由とは、他者から嫌われることである」"
"世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない"

……ちなみに、今回も私には響きませんでした(笑)。 なんとなくはわかるのですが、イメージできないからなのか、ひねくれているからなのか……。
とはいえ、200万部突破のベストセラーです。2013年12月の発刊で、いまなお売れ続けているビジネス書です。
そこで、本書のなかで「これはイメージできる!」と思った部分をあえて採り上げると、
"権力争いを挑まれたときには、ぜったいに乗ってはならない"
という一文でしょうか。

 小説やドラマでは、たくさんの"権力争い"が出てきますね。しかし、それがなかったら……。
 ううむ、これは面白くない!(笑)

今回は、落とし込みがうまくできるのか?
Stay tuned!

➋実践してみたよ~仕事の本質は、他者への貢献

私の「グッと」きたところ、"人は怒りを捏造する"

本書は前述したように、「哲人」と「青年」との対話形式で進んでいきます。

おそらく、多くの人が予想したと思いますが、
メンター=哲人
メンティ=青年
です。

このわかりやすさこそ、本書の「最大のポイント」と言えるのではないでしょうか。

第1章では、「怒り」を採り上げていますが、これもイメージしやすいですね。

「青年」がコーヒーを喫茶店でこぼされ、大声で怒ったという話に対し、「哲人」は、"「怒りに駆られて、大声を出した」のではなく、「大声を出すために、怒った」。大声を出して、ウエイターを屈服させるためだ"と、断定的に言います。
さらに、「怒り」とは「道具」でしかないと、序盤から衝撃的な発言が続きます。

ここでは「怒り」を例に挙げていますが、人にはさまざまな感情がありますよね。
もう、これ以上は申しあげる必要もないでしょう。
これ、すごく参考になりそうじゃないですか?

私の「ほんとうに使える!」実践テクニック、"課題の分離"と"承認欲求の否定"を心掛ける

本書で紹介されている「課題の分離」とは、「その行動で誰が得をするのか、損をするのか」を分けることです。また本書には、「承認欲求を否定することで人は幸せになれる」と出てきますが、人の承認欲求は無限であり、それに駆られていては、たしかに幸せになれない気がします……。
この「課題の分離」と「承認欲求の否定」を心掛ければ、なんと人間関係のコツも見えてきます!

★「課題の分離」のポイント ⇒ 他人の課題はコントロールできない
たとえば、いつも怒る上司がいて、注意したら「すまん。次から気をつけるわ」と改心して怒らなくなった。こんな話、聞いたことありますか?
上司が変わるかどうかは上司の課題。部下がコントロールできる話ではないのです。
※ものすごく注意したら変わるかもしれませんが、時間と労力がかかるし、面倒くさいですよね(笑)。そもそも、変わる可能性が低いから、みんなやらないかもしれませんが……。

★「承認欲求の否定」のポイント ⇒ 幸福な人生は自己満足で得られる

 SNSの「いいね」や「リツイート」というのは、「承認」そのものです。この人に共感できる、この人の意見をほかの人にも広めたい。「承認」を多く集める人が力を持つ時代にもなりましたが、言い換えれば、現代社会はみなが「承認欲求の奴隷」と言えるかもしれません。

 ……真面目に考えると、それはすごく辛いかもしれませんよね。

げんに、"他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる"と、本書では言及されてもいます。

これと同様のことを説いた、ある人物をご存じでしょうか。

スティーブ・ジョブズです。
下記は、2005年6月12日のスタンフォード大学卒業式でのスピーチの一節です。

「あなたの人生の時間は限られています。誰かほかの人の人生を生きることで無駄にしないでください」

また、「他人の欲求を満たすために生きるのではなく、その時間を使って自分のすべき仕事をしなければならない」と、説いています。

"他者がわたしになにをしてくれるかではなく、わたしが他者になにをできるかを考え、実践していく"という、本書の教えにもつながっていますね。

最後に、本書には「勇気」と言う言葉が、冒頭から最後まで何度も出てきます。

「勇気」とは?

他者から嫌われる勇気。
「いいね」がゼロでも、好きなことをし続ける勇気。(笑)

「勇気」とは、現代の不寛容社会で生きていくための「処方箋」になるかもしれませんね。

★おまけ★最近読んでいる本

『決算書の読み方 最強の教科書』吉田有輝著(ソシム刊)

中級者向きですが、決算書の入門書を2~3冊、事前に読んでおけば、大丈夫です。
具体的な企業のBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)、CS(キャッシュフロー計算書)、SS(株主資本等変動等計算書)から企業戦略、業界状況も勉強できます。
入門書が多いなか、まさに差別化された良書! オススメです。


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