どんなふうにもなれる<ガラスの海を渡る舟>
ガラスの海を渡る舟 著者:寺地はるなさん
今日はちょっとついていない。
人の些細な言葉も気になるし、傘も持ってこなかった。そう、いつのまにか良い悪いで分けてしまう自分がいる。そんな私に、本作の主人公の道(みち)は、自ら生きる姿勢と、妹の羽衣子(ういこ)に向き合う言葉を通してたくさん語りかけてくれました。
ガラス工房を始めることになった兄妹が一緒に過ごす10年間を描く本作は、妹の羽衣子が兄に対して嫉妬のような感情を抱いていることから始まります。
「道には目には見えないしる