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かおる奥様ストーリー⑭

また彼女に会いたい。
かおるさんが帰ってしまった後、俺はすぐにそう思った。彼女がいたベッドの僅かな温もりに包まれながら、あの笑顔を思い出す。数時間一緒にいただけなのに、心はまだ彼女に囚われているのだ。こんな俺にもあんな表情、あんな態度で接してくれる女性がいる。それだけで心はほぐれ、日々の生活も何とか乗り切れそうな気分になってくる。
「また遊びに来ますね。今日はありがとうございました!」
「俺もすごく楽しかったよ。ありがとう」
女神が最後にくれた言葉の魔法は、すっかりくたびれていた俺の身体を軽くしてくれた。
また会えるまで頑張ろう。
妻と自分のスケジュール帳を眺めながら、俺は次に会えたらどんな話をしようかと考えながら眠りにつくのだった。

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