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かおる奥様ストーリー⑬

最初は一時の慰め程度にしか考えていなかった120分が、ここまで刺激的な物になるとは夢にも思っていなかった。これまで過ごしてきた年月と比べればほんの一瞬なのに、かおるさんの表情や姿がそこに色を付けてくれた。
「すごく、よかった…」
 そんな言葉も本心で、意識せずとも溢れてくる。隣で横たわるかおるさんの背中を撫でながら、俺は久しぶりに心からの笑顔を見せた。
「私も」
 そう言って恥ずかしそうに枕を抱きしめる彼女は、本物の恋人のようだ。こうしてときめきながらまどろむのも、若い頃ならではのことだと思っていた。しかしこの年齢になっても変わらず胸は高鳴り、愛されることを嬉しいと感じるのだ。そんな新鮮な驚きと心地よさに身を任せ、穏やかな時間が過ぎていった。

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