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プログラムノート

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#音大生

J.S.バッハ/トリオ・ソナタ第4番 BWV528 ホ短調

J.S.バッハ/トリオ・ソナタ第4番 BWV528 ホ短調

昨年、地元でのパイプオルガンでのオルガン講座に応募し、半年間レッスンを受けました。

大好きなバッハがイメージした響きやスケール感、音色などを耳と心で体感的に学びたかったのでとても良い経験となりました。

第2楽章

1730年、J.S.バッハ45歳の作品です。
この頃彼はドイツの市や教会で音楽に携わる重要な役職についており、教会音楽を中心に幅広い創作活動を行なっていました。

トリオ・ソナタは通

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プーランク/ナゼルの夜会

プーランク/ナゼルの夜会

性格小品集といえるでしょう。各曲の登場人物の特徴や言動に思いを巡らせるのがとても楽しい作品です。

前奏曲
カデンツ
変奏曲
1. 気品の極み
2. 手の上の心臓
3. 豪放と慎重
4. 思考の一貫性
5. 口車の魅力
6. 自己満足
7. 不幸の味
8. 老いの警報
カデンツ
フィナーレ

1930年に始まったスケッチから6年、37歳の時に完成した作品。
フランスのナゼルに住んでい

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スクリャービン/ワルツ Op.38 変イ長調

スクリャービン/ワルツ Op.38 変イ長調

近代ロシアの作曲家であるスクリャービンは、神秘主義(神秘を直接体験することで神や究極の真理、宇宙の本質などを把握しようとする考え方)に強い影響を受けた人物である。

この曲はロシア国内で社会主義が高揚しつつあった1903年、31歳の時に書かれた。
この年はモスクワ音楽院でのピアノ教授を辞職し作曲に専念することを決意した翌年であるため、非常に多作だ。
そして様々な思想をもつ詩人や批評家たちと交流を深

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J.S.バッハ/トッカータ BWV914 ホ短調

J.S.バッハ/トッカータ BWV914 ホ短調

バッハの音楽がもつ孤高とその中にある人間的あたたかさ、凛とした佇まい。
そこに「新しさ」への意欲と情熱が注ぎ込まれた本作はとても魅力的だ。

1707年、バッハが22歳の時に作曲したといわれており、現在おなじみのオルガン曲「トッカータとフーガ BWV565 ニ短調」と同時期の作品である。

18歳の時に当時最新のオルガンを保有していたアルンシュタットの教会で初めてオルガニストになったバッハは名高い

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