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「キリストの払い損なった税金 Biodegradabilidad」を解説してみる

こんにちは。
「墓の魚」の作曲家です。

先日、「墓の魚」の新作の小説
「キリストの払い損なった税金 Biodegradabilidad」
という作品を書いたのですが、
この詩の様な、小説の様な作品の、
簡単な解説をここでしてみたいと思います。

それによって、この作品を皆さんに
より楽しんでいただけたら嬉しいです。

ちなみに、
「キリストの払い損なった税金 Biodegradabilidad」
の本編テキストはこちらです↓↓
https://ncode.syosetu.com/n9291gv/

noteでも掲載しました↓↓
https://note.com/pezdetumba/n/n2f419260c63f

さて、以下
「キリストの払い損なった税金 Biodegradabilidad」
の簡単な用語解説です。

■デセチョ(DESECHO)
アルゼンチンにはガウチョという勇ましい牛追いがいるが、こちらの主人公はガウチョではなく、デセチョ(廃棄、ポンコツ)なのです。生産主義の世界で何も生産しない者(ポンコツ)という意味。

■金網の飢え
鉄は人間が生み出したものであり、自然に対して文明を意味する。ましてや、その鉄が錆びた姿は文明の穢れであり、貧者の象徴となる。

■Biodegradabilidad
あらゆる物がいずれは自然の中で微生物などにより分解され、土に帰っていくという科学用語。この作品のタイトルになっている様に、第一のテーマとなっている。どんなに上手く世渡りをし、100年繁栄して生きようと、1年しか生きなかった者と結果は変わらないという真理がここにある。

■運賃前払い(flete pagado)
命を食べなければ肉体を維持できない。命を食べるのを後にして、先に肉体を成長させる・・などという事は出来ない。現実の非情さを言っている。

■かつては生きていたイネ科の打ち殺された死骸
鶏の餌の事。この作品では、あらゆるものが殺された死骸であり、それは人間だろうと変わらない・・という事がテーマになっている為、こういう表現が多い。

■疎外(Alienación)
実は、この作品の第二のテーマは疎外。経済学用語で[疎外]は、人間が作った物(文明や制度)が人間(個人)の手から離れ、逆に人間を支配するような外部の力となる事。それによって人間が、あるべき個人の本質を失う状態をいう。黒い幼虫が「我は疎外」と言っているのは、この作品に登場する悪霊が、まさに人間個人の本質を失わせる暴走した社会構造の象徴である事を物語っている。巨大なダニが社会に受け入れられない思想を隠した壺を[鶏舎の日陰]に置いた事も疎外(アリエナシオン)と表現されていて、これはちょっとした皮肉(人間の思想である以上、社会主義も個人を害する存在にはなり得る)

■無生産の栄光!!
芸術というのは無意味にこそあり、ただ波の音を聴き、そこから[虚しさ]を感じとる事がその本質であると言っている。

■神学的分解(descomposición biótica)
descomposición bióticaは生物学用語で、朽ちたものが生物的に分解され、還元されていく用語だが、その行いは世の理でもあるので、ここでは神学的分解(神の理)と表現されている。

■赤いダニ
こういう表現は、暗に思想を示している。

■コドラート
土壌の微生物などを調査する方法。

■死滅剤(Curva de contrato)
Curva de contrato(契約曲線)と表現されている。これも皮肉。人と虫のお互いが利益を得るギリギリのラインは[繁栄と殺虫剤]しかない。

■ジファー
英国の詩に出て来る蛆虫の王の名前。この名を付けられる事で、黒い幼虫が英国の産業革命の波を暗に示すのに対して、主人公はスペイン人故に哲学的である。余談だが、黒という色は英国の黒太子のイメージにもなっている。

■貧民はそもそも生まれた時から交渉などできないのだ!!
実際に、元々資産の無い者は交渉する術を持たない。資産家の言い値に従うしか生きる道は無いのだ。サトイモの葉をたった1枚得るのに、モリッツビールとチーズ三切れと五ペソを与えなければならない主人公は、[大量に発注すれば単価を安く出来るという理屈も、その資産が無ければ単品を高値で買うしかない]というシステムへの皮肉が込められている。

いかがでしたでしょうか?
単語の意味がわかる事で、
少しでも作品の内容が皆さんに伝わればと思い、
簡易的ですが、解説してみました。

それでは、また次の記事でお会いいたしましょう。


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