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私の詩(El Sventramento)

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スペインやポルトガルを舞台に、細菌やキリストの詩を書いています。こちらに掲載していきます。
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#詩

詩「フロリダスッポンの死骸に纏わる神聖さ」

「フロリダスッポンの死骸に纏わる神聖さ」 黒実 音子 ◇ 腐った臓物のミサの話をしようか?…

詩「さようなら」

「さようなら」 黒実 音子 ◇ あの日、楽園で 「さようなら」と誰かが言った。 「さような…

詩「癌の荒れ地 Krebsfriedhof」

「癌の荒れ地 Krebsfriedhof」 黒実 音子 ◇ 地上の肉(カルネ)を高温で長時間炙り、 その肉…

詩「ラクリファギア」

「ラクリファギア」 黒実 音子 ◇ 糞蠅達が涙を舐め、 牛眼虫症にかかった牛が、 じっと荒野…

詩「ソラヌム・アトロプレプレウムの栄光」

「ソラヌム・アトロプレプレウムの栄光」 黒実 音子 ◇ 荒れ果てた牧草地の中、 周囲に馴染…

詩「ノリタンゲレの腓骨」

「ノリタンゲレの腓骨」 黒実 音子 ◇ カリブの海底には 朱い腓骨(フィブラリア)が数多く眠…

詩「ああ、南極ダービレアを讃えよ・・」

「ああ、南極ダービレアを讃えよ・・」 黒実 音子 ◇ ああ、南極ダービレアを讃えよ・・ この冷たい海の 灰色の深淵の上を揺れる髪は、 神の霊が 水の地平線を漂っていた時代から、 感情を有さず、 無機に限りなく近い 肉(カルネ)として 暗く黒い海域の床として 君臨してきた。 ああ、巨人の死骸の髪よ!! 岩礁(スコーギオ)の影の王よ!! その黒い海藻(アルガエ)は 死を静かに受け入れ、 水に溶ける壊滅を待つ。 [お気に召す儘に(コモ・グステイス)]。 その肉は腫瘍で歪に

詩「ああ、私の骸は沢山のヨーロッパエゾバイ貝に貪られ・・」

「ああ、私の骸は 沢山のヨーロッパエゾバイ貝に貪られ・・」 黒実 音子 ◇ 私は海で死んだ…

詩「マルスダレ貝の支持政党についての論文」

「マルスダレ貝の支持政党についての論文」 黒実 音子 ◇ 淀んだ黒い海底の砂地に 白い大き…

詩「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」

「いずれにしても、それらはキリストの死体であり・・」 黒実 音子 ◇ マグマの流れる不毛の…

詩「エボシ貝(ピエ・デ・カブラ)」

「エボシ貝(ピエ・デ・カブラ)」 黒実 音子 ◇ 真夜中に運ばれてきた敗血症(ラ・セプシス)患者…

詩「台の上のカラッシウス」

「台の上のカラッシウス」 黒実 音子 ◆ この世の物質は、 地図の記号の様なものだ。 墓地の…

詩「ミサ・シネ・ノミーネ ~イキトスの水~」

「ミサ・シネ・ノミーネ ~イキトスの水~」 黒実 音子 ◇ 燭台と、その上を飛び回る蛾(ティ…

詩「ポリチェイラのミサ」

この詩の単語解説はこちらをご覧下さい↓↓↓ https://note.com/pezdetumba/n/ne59b9e3da38a ■「ポリチェイラのミサ」 黒実音子 ◇ 海は、煉獄の深淵まで続く 巨大な聖堂だ!! そこでは厳格なミサが 毎夜、繰り返される。 ただ単調に。 奉献に始まり、 途中の[暗闇の朗読(ルソン・ド・テネブレ)]、 終焉のミサ(イテ・ミサ・エスト)まで カイアシ類達は歌うのだ。 言葉(シナクシス)が省かれ、 淡々と儀式(エウカリスティア)だけが行われる