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絵の具

自分というものは、捉えどころがない。

しかし現に存在する。

心というものは目に見えない。

しかし心の声は、自分にはハッキリと聞こえる。

人生には楽しいこともあれば、苦しいこともある。

山谷あるから人生であるとも言える。

人として生まれて本当に良かったなぁと思うことの一つは、文字が読め、文字が書ける事だ。

文学の世界は、大きな池や海のように広い。

どこから手をつけても無窮だ。

心を、文字の絵の具で巧みに描いていく時の楽しさは、デッサンしている時に似ている。

文字は抽象化されつつも、具体性をもつ絵の具だ。

僕は今日もこの絵の具で筆を取り続ける。

野心なのかも知れないが、人生一つくらいはそういう野心なり野望なりがあって当然だと思う。

僕は自分の心を、完全に表現し尽くすまでこの筆を捨てない。


ぺん太郎

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