ガラスの靴より、エアマックス。
ハンドルネーム、ぺぺろん。女性。30代前半。
アルコール依存症。3年前に罹患。
なお、一生治らない病。
アルコール依存症になるなんて、未だに信じられない。なんで私が?どうして私だったのか?私何か悪いことした?何度も何度も考えた。ねえ神様、なぜ私をお選びになったのですか。私は至極真っ当に頑張って生きてきたつもり。社会を脅かすような事件を起こしたわけでも、ひどく他人を傷つけたわけでもない。ただ酒を飲み、飲み続け、飲みすぎてしまっただけだ。友人のInstagramにふと映るオシャレなお酒の瓶や缶をみるにつけ、これから先一滴たりとも飲んではならない自分を可哀想だと今でも思ったりする。
そんな私が、2024年8月4日に断酒1年を迎えた。
断酒初期は当然断酒日数も短く、「これだけ飲んでいないんだから頑張ろう」というモチベーションが一切なくて、しかも離脱症状で日夜不安に駆られていた。不安は飲酒欲求を呼び起こす。とにかく飲まないだけで大変な日々だった。そんな中、仕事もして、転職もして、断酒のために在宅ワークではなく出社100%の会社に勤めだした。在宅勤務は誰にも知られず飲酒するという完全犯罪を実行可能だからである。毎日毎日起き上がってねむねむの自分に朝ご飯を食べさせ薬を飲ませて着替えさせ電車に乗せるのははるかに大変だったが、あの時の選択が間違っているとは思わない。本当に泣きたくなるほど地道に飲まない一日を積み重ねてきた。
飲酒を続け屈強な胃腸にチャレンジし続けるかのように大量の酒に加えて朝昼晩とごはんを食べ続けた結果、20キロも体重が増えてしまった。急に太ってしまったことにより、靴が全く合わなくなった。いまなんとか足の痛みなく履けるのが、ナイキのエアマックスだけだ。
周りの人がどんなに美しく華奢で可憐で、履いている靴がどんなにハートを撃ち抜くようなかわいいものであっても、私は今日もエアマックスとともに今日も出社する。
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