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「 楽 園 迫 る 」 稽古場レポート (谷川清夏)


初めまして!12月の短編演劇展「おばけばかり」で制作補佐をしている谷川清夏です。先日、ぺぺぺの会さんの稽古場を見学させてもらったので、ぺのnoteをジャックして、稽古場レポートを書かせていただこうと思います!



ぺぺぺの会 上演作品「 楽 園 迫 る 」

わたしとあなたを照らすは闇! 一筋の闇!
──長い夜のうちに暮らす人人の呼吸音。そうして人人のあいだに決定的かつ不安定な壁がそびえ立つ。
〈わたし〉の言葉が不自由になったのはいつからだろう。〈わたし〉は誰に向けて話しているのだろう。〈わたし〉が発するのは単なる呼吸音。
この演劇は息詰る現代へ宛てられる便箋。詩によって紡がれた、人人の論理を超越する会話劇。


【作・演出】
宮澤大和

【出演】
石塚晴日
佐藤鈴奈
熊野美幸
(以上、ぺぺぺの会)

【作曲】
杉浦未来(れとろみらい)




「 楽 園 迫 る 」は3幕構成となっており、この日はアップをした後、主に1幕と3幕の稽古を行いました。

アップは筋トレ(めっちゃきつそう)をいくつか。どのワークも呼吸を意識する作りになっていたのと、途中、作・演出の宮澤さんが「目は死なせちゃだめだよ」と声をかけていたのが印象的でした。作中でも呼吸が効果的に使われていたり、俳優さんの目に常に力が宿っていたりしています。ぺの俳優さん達は、発する言葉にも身体にもものすごい吸引力があって、圧倒的な強さを感じるのですが、その強さは一朝一夕ではない日々の鍛錬から生まれているんだなあと実感しました。

アップが終わったら1幕の稽古に入ります。
ところで、ぺぺぺの会はツイッターで戯曲の一部を公開しています。これは1幕の戯曲の一部です。

楽園迫る-上演用_ページ_02

戯曲を公開する時に併せて公開されていた作・演出の宮澤さんのnote(リンク:https://note.com/poppermy7/n/n21351a26fb4b)に、過去作と違って「 楽 園 迫 る 」は詩ではなく純然たる戯曲の形式にしようと書いた、と書かれていました。確かに、稽古を拝見して、以前ぺぺぺの会を観たときより、言葉に依った作品になっている印象を受けました。

1幕では舞台上にはスタンドマイクがあり、登場人物の一人(石塚晴日さん)がマイクに向かって言葉を発しています。他の二人の登場人物(佐藤 鈴奈さん、熊野美幸さん)は、石塚さんと赤い紐で繋がれ、言葉を発さずにアクトをしています。マイクを使って音で遊んでいたり、石塚さんが発する言葉と、言葉を発さない佐藤さんと熊野さんの動作がお互いに干渉しあっていたりと、言葉・音を中心として場が展開されているのがおもしろかったです。


休憩を挟んで3幕の稽古に移ります。

楽園迫る-上演用_ページ_10


こちらは3幕の戯曲の一部です。『 楽 園 迫 る 』のキャッチコピーに「この演劇は息詰る現代へ宛てられる便箋。詩によって紡がれた、人人の論理を超越する会話劇。」とあるように、この作品にはおそらくぺぺぺの会では初めて、会話らしい会話のシーンがあります。
会話と言っても日常から遠い言葉ではあるので、稽古序盤はどうしてもコミュニケーションをしているように見えないというか、独り言のぶつかり合いという感がありましたが、稽古が進むにつれて3人が発する言葉がぴりぴりと繋がっていくのが分かりました。本番までにどう進化するかとっても楽しみです。


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ぺぺぺの会の作品は、舞台上で起こる全てのことにはっきりと意思が張り巡らされていて、観ていると観客側も感覚が研ぎ澄まされて脳で血がぐるぐる巡っている感じがします。作品を通して「あなたはどうするの?」と挑戦を受けているような心持ちになって、なんだか皮膚がヒリヒリするような。この感覚はぜひ劇場で体感してほしいです…!



短編演劇展 おばけばかり

静止画フライヤー

【参加作品】
ぺぺぺの会「 楽 園 迫 る 」
いいへんじ「pause」
魔法の竹馬ミナもやん「雲海の園」

【会場】
シアターグリーンBASE THEATER
(MAP:http://www.theater-green.com/map.html)
〒171-0022 豊島区南池袋2-20-4

【スケジュール】
公演日程 2020年12月4日(金)〜12月6日(日)
12月4日(金) 14:00/18:00
12月5日(土) 14:00/18:00
12月6日(日) 13:00
(上演時間:三団体合わせて100分程度を予定)

【ご予約】
https://ticket.corich.jp/apply/109060/

【チケット】
・ご予約券
○現金払い
一般(当日精算)(前売)3500円
大学生・大学院生(当日精算)(前売)2500円
高校生(当日精算)(前売)1000円
○PayPay支払い
一般(PayPay支払い)(前売)3300円
大学生・大学院生(PayPay支払い)(前売)2300円
高校生以下(PayPay支払い)(前売)800円
☆いずれの券種も、ご観劇当日にお支払い頂きます。
当日券(予約なし)は、各券300円増です。


公演詳細・感染症対策はこちらから。
https://pepepepepe.amebaownd.com/posts/10092479?categoryIds=1792707



(文・谷川清夏)


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