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映画『パターソン』 あらすじも見どころも伝えられない(ネタバレ感想文 )

ジム・ジャームッシュが苦手であまり観てこなかったんだけど「オフビートの笑えないコメディ」と思って観るとだいぶ理解できるようになってきた、という話を『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)で書いたと思います。
最近やっとジャームッシュ作品の見方が分かってきた気がするんですよ。

そんなもんだからリバイバル上映を観に行ったんです。
この『パターソン』はね、「オフビートの笑えないコメディ」だと思って観ると、すごくいい話に感じるの。

パターソン市で暮らすパターソン氏ってのがジャームッシュ的にはポエムだったのか、タクシードライバーならぬバス運転手や、『デッドマン』(95年)みたいに詩人を持ち出したりして過去作へのオマージュなのか、製作の動機は全く分かりませんけどね。

詩もそうですし、イラン人の奥さんに黒人ばかりのバー、日本人の観光客という多人種とか、何やら意味ありげではあるんですけどね。
「何か意味がある」と思って見ちゃうと「ナニコレ?」感満載。
でも、「オフビートの笑えないコメディ」だと思って観ると、すごくいい話に思える。
何がすごくいい話に思えるかは、説明できませんけどね。
それどころか、あらすじも見どころも伝えられない。
伝えられないというか、ない。
バカ犬に加えてバカ嫁までいて詩でも書いて気ぃ紛らさねーとやってらんねえ!って話にも見えますしね(<見えねーよ)

バカ嫁ゴルシフテ・ファラハニ。こんなに美人だったらバカでもいい。
私は『彼女が消えた浜辺』(2009年)で出会ってた。

例えば、バスの故障のクダリがあるでしょ。ナニアレ?
あれね、「何か意味がある」と思って見てると腹立つと思うんだ。
「笑えないコメディ」だと思って観るとめちゃくちゃ可笑しい。
ちょうどこの日、映画帰りにデパートに寄ってたら火災警報が鳴りまして、デパートの客全員ゾロゾロと建物の外に避難させられましたよ。
なんか、この「バスの故障」を追体験したみたいな感じで(笑)

そうそう、この犬。パルム・ドッグを受賞してるそうじゃないですか。
その存在を、つい先日『落下の解剖学』(2023年)で知ったばかり。

調べたら、『ベルヴィル・ランデブー』(02年)の犬も次点で受賞を逃したらしい。アニメなのに。アニメだからか。

そういうわけでこの映画、あらすじも見どころも書けないし、感想も書けませんでした。

監督:ジム・ジャームッシュ/2016年 米
(2024.05.06 新宿武蔵野館にて鑑賞 ★★★★☆)

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