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なんなんだよ

5
なんなんだよシリーズ短編ショートストーリー
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#小説

なんなんだよ #5(終)

なんなんだよ #5(終)

発走温かい春の木漏れ日、絶好の花見日和な土曜の昼下がり、それでも福岡県WINS天神の大型ビジョンの前には大勢の人だかりが出来ている。
今日のメインレース、中山競馬場・ニュージーランドトロフィーがいよいよ始まろうとしていた。
この日一人の男、ピロは人生最大の転機が訪れている。
この中山メインに己の全て?を懸けた一世一代の大勝負に打って出た。

時刻は15時40分を刻んだ。発走の時が迫る。
各馬が誘導

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なんなんだよ #4

なんなんだよ #4

組織画面は『ニュージーランドT 中山芝1,600m』のパドックが始まっていた。

『ボス、お電話です』

新聞に目をやりながら横目で画面に睨みを利かす一人の男が電話を手に取った。

『おうチヒロ、なんだ?ああ、ようやくお前も俺の仕事を手伝う気になったってえのか?』

チヒロ、それは大山チヒロのことだった。
ここの事務所は春だっていうのに窓が無く陽の光を受けつけない雑居ビルの1室。男はチヒロと電話越

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なんなんだよ #3

なんなんだよ #3

深海地上から200メートル以下の海中はそう呼ばれるらしい。
『深海』そこは一面漆黒の闇。
表層の生物からは想像できないほど特異な形態・生態を持つものも存在する。
水温は氷点下を行ったり来たりするような、冷たい海底。
なにせ太陽の光が届かない。
まさに出口の見えない暗闇の迷路、光が指すことは無いそんな深い海底にピロは沈んでいた。

この日、ピロは掛け値なしの大勝負に、そして引き返すことは出来ない大航

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なんなんだよ #2

なんなんだよ #2

「ピロさん、漫画みたいなこと言いますね」

南3局親番、リーチタンヤオドラ2をツモ和了りした俺はジリジリとしたトップ争いから抜け出していた。
それまで、小刻みに上がりを拾えていたわけだから、下家の浜口へ点棒の釣りを渡す瞬間、つい咄嗟に口に出してしまった「流れが来たかな」という言葉を告げたわずか1秒後に放った浜口の言葉に絶句し、一瞬浜口が何を口走ったかわからない。

は?
なんなんだよ、博打に流れは

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