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【読後メモ】 トマス・アクィナス(第1章)

トマスの知的活動全体を支える最も根源的洞察について
〜出典:『トマス・アクィナス 理性と神秘』  #山本芳久著 #岩波新書  

第1章 #トマス・アクィナス の根本精神より抜粋

#知性と理性 」〜人間精神のもつ驚異的可能性についての洞察

・魂 はある意味においてすべてのものである
・宇宙 とその諸原因の全秩序が霊魂に書き記される

知性:
他の本性よりも全体へのより大きな親近性を有しており、それぞれの知性的な実体は、自らの知性によって全存在を把握する限りにおいて、ある意味においてすべてのものである.
他方、何であれ他の諸実体は存在者への特殊な分有のみを持つのである.(「対異教徒大全」)

・それぞれの知性的な実体…「神・天使・人」

知性と理性の区別
「知性」:全体を把握する直観的な理性
「理性」:推論的、過程的、分析的な理性

/知性認識する(可知的な真理を端的に把握すること)
/理性認識する(可知的な真理を認識するために知性認識されたあるひとつのことから、もうひとつのことへと進んでいくこと)
(注)ただし、厳密に区別されて使われるとは限らない〜広い意味での知的なあり方全体を指す場合も多い

〜「神・天使:知性的存在者」に対し「人:理性的存在者」

・知性的存在者は推論なしに端的に事物の真理を捉える

・われわれの行為は常に、理性の選択によって構成されている
理論理性と実践理性(アリストテレスに基づく)

真理の考察を目的:理論理性/ex.矛盾律
認識を行為という目的へと秩序づける:実践理性/ex.善はなすべく追求すべきであり、悪は避けるべきである

・この双方に対して「知性」は大前提となる不可欠な役割を果たしている(第一の原理の役割)

人間のもつ「理性的」とは、知性的存在者との対比の中で、多様な推論の積み重ねを通して全体的・総合的な理解へと到達しようと試み続ける自己超越的なあり方を意味する.
別言すれば、自らの限界を充分に弁えながら、理性を超えた神秘などのあらゆる実在に対して自らを知的に開いていこうとする根源的な態度のことである.

著作群
主書
神学大全
対異教徒大全
討論集
註解書

聖書註解とアリストテレス註解が要となる

#神秘#理性
人間の理性の力のみでは到底知ることができず、神のみが知っている神秘を、神は人間と共有することを望み、そのことによって人間と神との新たな関係性が紡ぎ出されていく.

神秘を決定的な仕方で人間に開示してくれた存在ー #イエス・キリスト

神秘と理性との積極的な相互関係
「神秘に触れることによって理性がそれまでにはない仕方で開花し、理性に開示されることによって神秘が単なる不合理ではなく独自の論理と構造を有するものであることが明らかになっていく.
これが #ギリシャ哲学 の基本概念である「 #徳 」である




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