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1/6木:特別寒い夜にはお蕎麦屋さんを。

昨年の9月頃から、研究室メンバーと大学入口の近くにあるお蕎麦屋さんに頻繁に行くようになった。

そのお蕎麦屋さんはおそらく70歳を超えているであろう老夫婦が営んでいる昔ながらの定食屋の雰囲気を纏った店で、席は狭い4人掛けのテーブル席が2つと、カウンター席が2つしかない。

しかし、蕎麦だけでなくうどん、丼物、天ぷらなど、出てくる料理はどれも絶品なのである。しかも、私たちが訪ねたときには毎回、注文していないにも関わらず、おまけで天ぷらがついてきたり、最後にデザートのフルーツを出してくれたり、お土産にミカンまで持たせてくれる。

それまではそこにお蕎麦屋さんがあることすら知らなかった。学部1年生から博士課程後期2年になる8年間、ほとんど毎日大学に登校していたのに、全く気がつかなかったのである。

この大学に通うほとんどの人間よりも長い期間通っていたのに、こんなに心が温まる店を知らなかったとは、長期間にわたって損をしたなぁと思う。

今日は特別寒い日だったから、そのお蕎麦屋さんに皆で行って、おいしい蕎麦とうどんで温まろう、という話になった。

それで、ウキウキした気持ちで一行が店の前に到着すると、悲しいことにシャッターが下ろされていた。正月明けてすぐだったからか、まだ休みを取っていたのだろう。

誰も悪くはないのだが、寒い夜の温かみに対する私たちの期待は裏切られ、一段と寒い夜になった。

また日を改めよう。

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