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72.夢みたいなこと


人は誰しも好きな場所があると思います。
実家だったり、仕事場だったり、学校だったり、グラウンドだったり。
僕は、好きな場所というのは、落ち着く場所のことや居心地の良い場所のことを指すと思っています。


ちなみに僕の好きな場所は、「本がたくさんある場所」です。
本屋さんが好き、だとか、図書館が好き、だとか言う人は僕の周りにも何人もいます。
本屋さんや図書館なんかは他の場所に比べると静かでゆったりとした時間が流れてますし、本の匂いが好き、という方も多いかもしれません。でも僕の好きな場所は、本屋であろうが、図書館であろうがどっちでも構いません。もっと言うのであれば古本屋であろうが、漫画喫茶であろうが、うるさかろうが、汚かろうが、とにかく本がたくさんあれば僕の好きな場所、ということになります。
 

大学生の頃、僕はキャンパスから徒歩2分ほどのアパートに下宿していました。
これは僕の自慢のうちの一つなのですが、寝坊をほとんどしたことがありません。残念なことに寝起きは悪いのですが、目的があれば、きちんとそれに間に合う時間に家を出ます。

堕落した生活を送りがちとされる、大学生時代においても決して例外ではなく、寝坊して授業に行けなかった、ということはほとんど無かったです。(もちろん滅茶苦茶近くに住んでいた、ということも要因の1つなのですが。)

私立の大学に通っていたこともあり、キャンパスには大きくて綺麗な図書館がありました。
ジャンルを問わず本の種類もたくさんありました。当時はお金も無かったので好きな作家の新刊が出ると必ずリクエストをして置いてもらうようにしていました。

「本がたくさんある場所」に加えて「僕の好きな本が必ずある場所」という魅力が加わった大学の図書館は、僕にとっては大好きな場所でした。
平日は9時から(日祝は10時から)図書館を利用することが出来たので、その日の授業があろうがなかろうが、何限から始まろうが、10分前の8時50分には図書館の前に行って待機するのが習慣になっていました。


寝起きは悪いが、寝坊しないという僕の特技が存分に発揮された日々でした。
「変な習慣だなぁ〜」と思った方もいるかもしれませんが、毎日のように開館前の図書館で待機している人は僕だけではありませんでした。同じように毎日朝から図書館に通っていた人が他に3,4人いました。顔は知っているけど話したこともないし名前も知らない状態、朝の通勤電車と同じような感覚です。

その中には図書館の前で、すでに立ちながら本を読んでいる人もいました。強者です。本の虫です。

おそらく学生だと思うのですが、年齢不詳で厚いメガネをかけている漫画のキャラクターのような見た目をした男性でした。間違えて本の世界から飛び出てきてしまって、もとの世界に戻ろうと、必死に自分の出身本を探していたのかもしれません。

彼には及ばないかもしれませんが、もちろん僕も本を読むことが好きです。
今振り返ってみると何かを学びたいから、ではなく、ただ本を読みたいから図書館に通っている節がありました。

いつしか物語を楽しむのではなく、本を読む行為自体が目的となってしまい、頭が混乱した時期もありましたが、そんなことは関係ありません。確かに楽しかったのですから。
 

寝不足だけど目が覚めてしまったとき、ベッドから起き上がり、わざわざ図書館にいって、図書館の机で突っ伏して寝る、という随分と効率の悪い二度寝をしたこともあります。
本に囲まれて寝る、起きてすぐ読みたい本を読む、というのは、素晴らしい世界の夢のような行為だと思います。
 

社会人になって働くようになった今でも駅前や駅中の本屋さん、営業周りをしているときにある本屋さんに、用もないのにフラッと寄ってしまいます。
昔はブックオフなどの古本屋さんで100円の本を買う、ということが多かったのですが、少ないなりに給料をもらうようになった今では、古本ではなく新品の本を買うように心がけています。

本を書くにあたって、作者が込めた熱量や時間、出版社や印刷会社の想いは、もっと報われるべきだと思うからです。本当に微力だとは思うのですが、新品の本を買うことが、面白い本の制作や流通に関わってくれた人への恩返しになれば、これ以上嬉しいことはありません。
 

どうして僕は「本がたくさんある場所」が好きなのだろう、と考えたことがあります。
自分の好きな場所の理由を言語化するって難しいかもしれない、と思っていたのですが、考えてみると簡単なことでした。


「本がたくさんある場所」が好きな理由。

それは「まだ自分が読んだことのない面白い本が、こんなにもたくさんある、と実感できるから」です。

本に囲まれたときの高揚感やワクワク感は、未知の面白さを体験できるかもしれない、という心の中の想いがあふれ出ているからなのだと思いました。
 
最近僕には夢ができました。欲張りなことに2つの夢ができてしまいました。
 
近い将来、僕と妻は家を買う予定です。(これは夢ではなく、目標です。)
一生懸命お金を貯めながら、目ぼしい物件を探しています。
 
1つ目の夢は、マイホームに壁一面の本棚を作ることです。

繰り返しになりますが、「本がたくさんある場所」が僕の好きな場所です。
自分の家を自信を持って「自分の好きな場所」と言えるのは、とても誇らしいことだと思います。
壁一面の本棚を作ることには妻も笑顔で了承してくれました。

 
2つ目の夢は、我が家の本棚に自分が書いた本を置くことです。
書いていて恐れ多いですが、若干26歳、まだまだ先が長い人生です。
生きているうちに、自信を持って面白いと言える本を書いて出版させてみます!

春になりましたね。
ゆっくり小説でも書こうと思います。

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