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アルパカの逆走

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2019年11月の記事一覧

雪だるま狂想曲

フカフカな雪の降る日。通勤途中のカフカはいつものように立派なステーションに架かる立派なコ…

吉田猿滑
4年前
3

忘れられたコロッケ

僕はコロッケに単独で関わったことはないのだけれど今日はコロッケの話をしたいと思う。いまの…

吉田猿滑
4年前
2

忘れられた時計

部屋の机の上には高校の卒業記念品としてもらった小さなデジタル時計があった気がする。夢から…

吉田猿滑
4年前
1

落とし物日記

20××/11/20(天)14:17 僕はいま銀河列車(こだまだるま号◉号車◎番A席。白い駅発。)に乗…

吉田猿滑
4年前

『レオン』

今日はそのへんのわんぱく五歳児とはげかかった自己中心フランス人哲学者が日本のマグナルドで…

吉田猿滑
4年前
4

ゴールデン・レトリバーの眠り

太陽の煌きと樹々の香りを感じたゴールデン・レトリバーは、遠い地平線へ思いきり駆け出した。…

吉田猿滑
4年前
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わ 56-56

ナンバーウォッチングを祝う祭りに迫りかけていたある日。日々政治思想を怒鳴り合っているはずのにゅーすぺーぱーの朝刊の雰囲気はまさに全紙揃って異様で一面一人の青年の写真によって独占されていた。世界の情報媒体の独占とは無縁とも思えるその男は顔に社会不適合の象徴満面の笑みを浮かべ片手にテニスラケットをもう片方に菜の花のようなものを持っていた。その姿は読者に悪夢を遥かに越えるなにかを与えすべてのGPS機能を無力化してしまいそうな風貌であった。 恐る恐る写真下にあった説明文章に目をやり

キツネの終尾

人気のない交差点で信号は青く光りそして赤く光った。誰もなにもしなかったけれどまた青く光り…

吉田猿滑
4年前
1

夕闇に鳴いたんだフクロウは

小さなフクロウが公園の大木の下に佇んでいた。大木は公園の中心に太く生えフクロウはその存在…

吉田猿滑
4年前