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[PHASE]ー2|貸会議室での展示会可能性

[PHASE]の2回目は貸会議室での展示会開催

品川駅徒歩6分の場所にある貸会議室「AP品川」。今回はこの場所で開催される「ハイブリッド内覧会」の会場にて2回目となる[PHASE]を開催しました。今回は2日間の会期の前半において「展示会業者による会場設営の時間」を見ていただくために、会場設営を28日(月)9:00より開催し、15時の完了・観覧開始を目指しました。本展示会でお伝えしたかったことは、半オンライン・半リアルの形式の試行だけでなく、展示会業界が本来持っている「展示会技術」の認知度拡大、そして都内に数多く設置されている「貸会議室」の今後の可能性を模索することでした。

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半オンライン・半リアルの展示会においては、「通信環境」が重要な要件となってきます。また、現在のコロナ状況下においては、大規模な会場設営を要する東京ビッグサイトなどの展示会場だけでなく、会場の設えが簡単にできる今回のような貸会議室も今後の重要な展示会場となり得るのでないかと考えました。

もちろん、これまでも会議室で展示会を開催する、と言ったことは枚挙にいとまもないほどでしょう。しかし、現在の状況下で後述する「展示会の技術」を駆使して、積極的な活用を行い展示会を開催するということは、あまり例は少ないのではと思います。

今回の展示では、前回の[PHASE]での構成をほぼ踏襲し、同じ展示台を使用しています。それに加えに、展示会で活躍する設営会社の方にお願いして木工(+経師貼)で展示台を別に製作して会場全体を構成しました。

貸会議室で展示会を行うメリット

貸会議室で展示会を開催するメリットはいくつかあります。まず、貸会議室(特に今回の会場であったAP品川)には初めから会場を印象付ける「顔」(エントランス等)が作られており、各企業が費用を掛けてブースを作らなくても、会場構成がしやすい、という点。そして、オンラインに必要な通信環境が整えられているため、オンライン開催を行いやすい、という点も言えます。

1.通信環境が既に整っている
2.「展示会ブース」としての「顔」が既に出来ている
3.展示会開催に関わるコストを抑えることができる

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※上記の画像はAP品川のエントランス。既に「展示会場」としての「顔」が作られている。

天井が低いという点は、実は有利な点

また、これは実際に開催して気が付くのですが、「天井が低い」という条件。東京ビッグサイトなどの展示会会場は天井が高いので、装飾について様々な工夫が可能ですが、貸会議室は一般の会議室なので天井が低い。これはデメリットなのではないか、と何人かの来場者の方が心配されていたのですが、実際に開催して、会場内の様子をしばらく観察していると、それが杞憂でしかないことに気が付きます。

当社は普段東京ビッグサイトなどの展示会場でブースをデザイン・設計・製作していますが、天井高さがあるブースを考える場合「来場者の視線をどうコントロールするか」が重要な要件となってきます。空間が広い場所では、来場者がどこを見てもらいたいか、見てほしいか、が曖昧になるのです。そこでいつもデザイン上で配慮することは、人の頭より高い範囲は遠目からの視認に使用し、看板やキャッチの言葉をいれます。時にタペストリーや箱状のものを設置するのです。そうするとどうなるか。ブースに入った来場者は、上部が「埋まっている」ので、自然と目線の下に位置する展示台に目を移すようになるのです。これを「視線的に上を抑える」という言い方をするのですが、このように空間的な配慮を行うと、自然に展示台に集中するようになるのです。

これと同様のことが、実は貸会議室の展示台では起こります。天井が低いため、来場者は自然と展示台の上に集中するようになるのです。このような観点から、貸会議室での展示会開催において、天井が低いということは有利になりこそすれ、不利にはならない、と考えてよいと思います。

貸会議室での展示会に向いている展示会型式

では次に、どのような展示会が今回のような「貸会議室」を利用した展示会に向いているのでしょうか。今回、実際にこの「半オンライン・半リアル」の展示会をAP品川で開催してみて効果的だと感じたのはやはり地方自体や地方企業による展示会開催でしょう。その他にも企業の内覧会やプライベート展示会の展示会ももちろん可能性がありますが、これらに関しては既にこれまでにも多く開催されていたのではと思います。

今回特に感じたのは、例えば地方自治体とその地域の中小企業の製品を展示するような展示会です。会場構成が比較的簡単で通信環境が整っている貸会議室での展示会では、出展者が各地域にそのままいて、オンラインで対応し、来場者のみが会場を訪れる形式は、比較的開催へのハードルが低い、という点から有効な方法なのだと感じています。今回のAP品川での[PHASE]では、石川・佐賀をはじめ、京都、奈良、秋田など、様々な地域の方に出展していただきました。まだまだ課題がある展示会型式ではありますが、実際に開催してみて、その可能性を大きく感じることができました。

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また、いくつもの部屋に分かれている貸会議室は、それがそのまま出展者の区分に繋がります。例えば、この部屋は「京都」、この部屋は「石川」、この部屋は「佐賀」と言った、複数の地域による合同展示会なども可能性として考えられるのではないかと思います。もちろん、半オンライン・半リアルの形式で。

では、次回は今回の半オンライン・半リアルの展示会、その形式についてお伝えしましょう。







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