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Vermin・・・害獣という名のブックカバー・・・

Verminとは・・・害獣という名のブックカバー・・・

駆除された鹿の命を無駄にすることなく、最後までいただくプロジェクト。
害獣駆除の現場と皮革工場と革職人 と、
そして書店が挑戦するプロダクトです。
環境や未来について考えるひと
ひとつのものを永く使いたい ひとに

届いて欲しいブックカバー です。

右がVermin新品 左はクリームでお手入れをして半年使ったもの


・・・はじめまして。こんにちは。・・・

はじめまして。こんにちは。
離島生まれ、埼玉県草加市在住。
読書のおともをつくる書店『ペレカスブック』店主新井です。
小さな書店を営みながら(現在移転準備中・実店舗はクローズしています)
町の工場と力を合わせて、オリジナルの製品を作っています。
読むことや考えることが好きなひとのために。
世界から書店が無くならないために。

なんて、大きなことを考えながら、小さな仕事をしています。
日々のことは、こちら
https://www.instagram.com/pelekasbookwork/

このnoteは、構想から2年をかけて作り上げた革のブックカバーのお話です。

Verminの使命・・・害獣の命を無駄にせず未来へ繋げる・・・

現在日本では生態系維持 のため
年間数万頭もの鹿が駆除され、廃棄されています。
破棄せずに肉をジビエ に、皮を革に仕立てるのは、
膨大な手間と大きなコストがかかる作業。
でも。
あえて。
害獣というテーマを持った革を使いたい。
狩猟された害獣の革を製品に仕立て、
わたしたちの手元に置いて丁寧に使うことには、
意味があると感じませんか。
たしかに生きていた鹿の命を無駄にせず最後までいただく 。
製品として使うことで、現在より良い未来 を考えていく。

これがVerminの使命です。

・・・Verminの実現したい未来・・・
狩猟の現場×工場×職人×書店 
得意分野で製品の価値を高めて、最高の製品をお客様に届ける

Verminは、確かな技を持つ4分野のプロフェッショナルが力を合わせて、
実現するプロジェクトです。

ひとつ目は狩猟 の現場。
鹿の駆除には『罠』と猟銃による『狩猟』があります。
罠で捕えられた鹿は長くもがくため血圧が上がり全身が鬱血し、
肉はジビエにすることができず、また皮も傷ついてしまいます。
苦肉の策による『罠』での対策地域を責めることはできません。
その上で、
Verminでは一発の弾丸で一瞬で命を終わらせる狩猟によって
鹿の命をいただいた革を使っています。

現場のひとつ、北海道蝦夷地

ふたつ目はタンナー 工場。
タンナー工場は、巨大な仕掛けと複雑な工程をこなす職人技で
皮を革に仕立てています。
重みのある皮を洗う大量の水音。
革を鞣す機械の動力音。
職人たちが革を移動する重たい音、革のくずを取るハサミの音。
工場は有機的な物音に満ちていて、
まるで工場自体が大きな生き物のように感じられます。
地下水脈の豊かな草加は皮革工場の立地に最適な地。
80年以上の歴史を持つ皮革工場がそれぞれの工程を組み合わせて、
様々な革を仕上げています。

塩漬けにされた状態で送られてくる鹿皮。
想像よりも長く密集した獣毛に塩の結晶が光っていました。
河合産業での毛抜作業 大きなドラムで皮を処理します

革を製品の形に仕立てるのは革職人。
草加では確かな技術を持つ革職人が、
それぞれの工房や工場で得意分野の製品を作っています。
特にVerminでは、それぞれの革に個性が強く出ている野生の鹿を使うため、
職人の手作業による仕立てが欠かせません。
形も用途も様々な工具を駆使して
職人の手が鮮やかに、正確に、確実に、最高の製品を仕上げていきます。

革職人『革信』による仕立て。
革の厚みを計ります。
革のダメージをブックカバーの表情として生かす工夫も

企画制作・販売は書店ペレカスブック(わたし)が担当しています。
工場・職人・経営方針の組み立てなど、
様々な角度から工程の組み直しや試作・相談を繰り返し、
たくさんのひとの協力をいただきながら作ってきました。
構想から2年がかりで作り上げたVermin。
Verminに興味を持っていただけるひとに、
ひとりでも多くお会いできますように、
お声掛けいただいたお店に直接足を運んだり、
文字やメディアでVerminを伝えたりしています。

ペレカスブック(現在移転準備中 実店舗はクローズしています)

Verminとお客さまが出会って欲しい場所は、『書店』です。
ブックカバーの形をしているから、だけでなく。
強い想いと背景を持つVerminは、
本を読んだり、考えることが好きなひとにこそ
喜んでいただける製品なのでは。

そう考えて、そんなひとの集まる場所『書店』を舞台として、
Verminを販売していきたいと思っています。

そして
お客様の手元にVerminが届き、資金が循環することで、
Verminの『命を無駄にしない』使命が達成される未来が実現します。

Verminの価値・・・永く使える唯一無二のブックカバー・・・

鹿革の特徴
鹿革は他の革に比べてコラーゲンの含有量が非常に高く、柔らかい手触りが特徴。
簡単なお手入れで、いつまでも柔らかさを保持し、永く使うことができます。

毛抜きした鹿革をピクルス液で処理し、鞣して乾燥します
伊藤産業にて

植物由来の『鞣し』
環境を考えるVerminには
植物由来のタンニンでの鞣しをほどこしています。
自然素材のタンニンで鞣された革は
時間が経つほどに変化し味わいが加わります。
簡単なお手入れをすることで、
経年変化を楽しみながら永く使えるものになります。

2種のタンニン鞣し革 Verminではココア色の革を採用しました

シンプルな形
当初はポケットやベルト、牛革などと組み合わせるなど、
凝った形のサンプルを何度も作っては試してきました。
そして結局たどり着いたのは、シンプルな形。
あしらってあるのは金色の『ギボシ』と、着脱できる革紐のみ。
鹿革の手触りと経年変化を、存分に楽しんでいただける形です。

ワンポイントの『ギボシ』。革には鹿が生きているときについた傷があります。

ひとつひとつが個性のある製品
野生の鹿には、山林で暮らしたための傷や雄同士の戦いの怪我の痕があります。
更に保存の工程で穴が空いてしまったり、
お腹の近くには肌荒れがそのまま残ってしまっているものも。
Verminではこれらを、鹿が確かに生きていた『命の痕跡』として、
できるかぎり避けずに製品に仕立てています。
ブックカバーの内側、皮の床面は
ほとんどの革製品では裏地や布などで覆ってしまう部分。
Verminでは、そこも隠さずに仕上げました。
ひとつひとつが個性ある唯一無二のポートレイトのようなブックカバー。
シリアルナンバーで気になるひとつを、探してください。

鹿一頭の部位により、それぞれが表情の違うブックカバーになります。

Verminは安い製品ではありません。
その理由は原価がどうしても落とせないことにあります。
傷のある革を仕立てるために、職人に技と手間がかかること。
また、狩猟された鹿は2時間以内に解体しないと肉も皮も痛んでしまうため、
一頭ずつでの狩猟・下山・解体が必要で、どうしてもコストがかかり、
革そのものの原価が高くなってしまうこと。
それでもあえて、コンセプトある害獣の革を使いたい。
Verminの想いです。

鹿一頭分のブックカバー。
使うほど味わいが増す鹿革
比較的きれいなものと、ダメージのあるもの


床面(裏側)もそれぞれ違います
革紐は着脱できます
文庫と、ノートとして使う白紙の文庫の2冊入れ
鹿革が柔らかいので、無理なく入りました
わたしはその日読みたい文庫と白紙のメモ用文庫の2冊入れで楽しんでいます

・・・Verminの販売計画・・・

Verminに心を寄せてくださる書店さんと
受注会・展示会の準備をしています。
進捗は #pelekasbookwork のインスタグラムにて更新いたします。
Verminに興味を持っていくださるみなさまに
お会いできる日を楽しみにしております。

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2023年10月28日
ペレカスブック店主
新井由木子

Vermin 企画制作:ペレカスブック
協力皮革工場:日東皮革 河合産業 伊藤産業
革職人:革信

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