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【時々エッセイ】猫の手ざわりは魔法でできている 54

断捨離。
魅力的な言葉です。
猫飼いにはほぼ不可能です。
なぜなら、物が要るか要らないか決めるのは、物言わぬ真の主人であるからなのです。
例えば、置きっぱなしになっていた段ボール箱をたたんで紐でまとめたとします。
ん?あれどこ行った?入って遊んでたんだけど、と捜されます。
ボロボロになった玩具を捨てたとします。
ボロボロにする、イコール気に入って遊びまくるということなので無くなったとなれば怒り心頭です。
他の新品ピカピカの玩具なんか見向きもしてくれません。
バタバタと本物のような迫力で飛び回る蝶々の玩具。
これなら、家に入ってきた虫を追いかけまわす猫様たち、きっと喜んでくれる。そう思って買ってきました。
ビービー鳴るモーター音に怯えて近づいてきません。

敷いてあげた物は拒否、置いてある物は歓迎。

ふかふかの猫ベッド。
Amazonで見つけました。
カタログページで入ってる猫の写真かわいい。
絶対、みんな気に入ってくれる。
取り合いになるかも。
そうだ。大きいサイズを買ってみんな入れるようにしよう。
そうすれば、ケンカにもならないし冬は猫団子であったかいはず。
いざ届くと…誰も使わない。
誰も入らない。入り心地を確かめて、すぐ出ていく。
何が気に入らないの?
ジョルジュがちょっとの間入ったので一応、上の写真撮りました。
全くくつろいでいません。
匂い?そう思って、いつもの身近な匂いになるようにママが着ていたカーディガンをけっこう長い間敷いてみました。
効果なし。
仕方がないので、自分の高座椅子の前に置いて冬場の足置きにしました。

モネのドアップ。

こうして、「あれがいいかも」「これがいいかも」と新しい物が増えていき、「これ捨てると怒るかも」「あれ捨てると嫌がるかも」と物を捨てられない。
断捨離は夢のまた夢。
現在、物と猫の隙間で暮らしています。
幸せなのか不幸せなのかわからない。
Cèst La Vie。
これが人生。


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