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劇場情報

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「こばつね」が、サンクトペテルブルクの劇場、音楽ホールやオススメの音楽作品の見どころなどを豊富な動画でご紹介します。
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ヴェルディ 「リゴレット」から『女心の歌』

ヴェルディ 「リゴレット」から『女心の歌』

最近冬でも天気が変わりやすく、昔から言われている「女心と秋の空(その昔は男心だったという話もありますが)」の守備範囲を広げないといけないかなと思います。さて、「女心」というとオペラではまずこの曲です。オペラの4幕で、不良領主のマントヴァ侯爵が歌うテノールの名曲です。
歌詞はこんな感じです。この歌詞をご覧になって不愉快に思われる方々も多いと思います(私もこの歌の歌詞が気に入らなくて、長らくこのオペラ

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シューベルト『音楽に寄せて』

シューベルト『音楽に寄せて』

この間の「劇場へ行こう」でバリトン歌手のHさんが「今はまっている曲は…」と紹介してくれた曲です。作曲家シューベルトが、彼の友人の書いた詩に 飾らない、でもとっても素敵な曲をつけました。早速、歌詞の対訳を読んでみると歌詞も素敵です。

Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,

Wo mich des Lebens wilder Kreis umstric

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親方ーーー!キルギスにキミン・キムが!!!!!

親方ーーー!キルギスにキミン・キムが!!!!!

 こんにちは、キルギス在住の幸夫です。
 キルギスはまあまあ寒くなってきて、天候も崩れ気味。ちなみにキルギスは大
気汚染ランキングで世界1位(悪い意味で)という状況なので、酷い時は街一帯
が白い靄に包まれている様になっております・・・。そして道路事情も悪いの
で、少し雨が降るとこんな感じです。

 小川かな?????
 うちのグループの中に、綺麗な水溜まりの写真を撮るとこで有名な方がいるけど、あ

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ムソルグスキー作曲 オペラ「ホヴァーンシチナ」よりモスクワ川の夜明け

ムソルグスキー作曲 オペラ「ホヴァーンシチナ」よりモスクワ川の夜明け

冬が近くなりだんだん夜明けの時間が遅くなってきました。そろそろ通勤途中で日の出を拝むことが増えてきました。「夜明け」をテーマにした曲はたくさんあります。その中で、私が好きな曲を これから、幾つか紹介をしたいと思います。
ムソルグスキーは幾つかオペラを作曲しています。有名なのは「ボリス・ゴドゥノフ」。「ホヴァーンシチナ」は彼が残した最後のオペラ(例によって ムソルグスキーは完成させることができず、現

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ヘンデル作曲、「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」

ヘンデル作曲、「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」

旅行に出かけました。旅行に出かけると色々新しい事物にお目にかかります。今回はドイツメーカー(GROHE社)のウォシュレットです。

「お尻洗い」は日本だけの先進的ガラパゴス文化だと思っていたのに…ところが、宿泊したトイレで見慣れないウォシュレット!しかも用を足すために座ると音消しのためか音楽が奏でられます。調べたらGROHE社の製品・・・
さて、これは誰の曲だったっけと 用を足しながら考えると そ

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グスターヴ・ホルスト 1874-1934作曲 「セント・ポール組曲」

グスターヴ・ホルスト 1874-1934作曲 「セント・ポール組曲」

インターネット・ラジオを聴いていると、「オッ?」と思う曲! 有名な「惑星」のメロディーに似ているのだけれど、聞き慣れた「惑星」とは異なります。誰の作品だろうと思って、ステレオのパネルを見ると(インターネット・ラジオでは放送によって曲名を出してくれるところがあります♬) ホルスト本人の、「セント・ポール組曲」という作品。早速、ググって見ると以下のような経緯で作られた作品らしいです。

イングランド出

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運動会の入場行進曲

運動会の入場行進曲

2回にわたり、運動会のかけっこの音楽を考えてみましたが、運動会には行進曲もあります。今回は、行進曲の定番3曲について、エピソードも含め紹介をしたいと思います。

1.エルガー作曲;威風堂々
英国の作曲家エドワード・エルガーが作曲した「威風堂々(Pomp and Circumstance)」は、(日本では全然知られていないのですが)第一番から第六番(六番はエルガー未完で終わっており補筆されたもので演

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運動会のかけっこにふさわしい曲 その2

運動会のかけっこにふさわしい曲 その2

運動会の音楽の2回目です。前回は ヨハンシュトラウス2世作曲の「トリッチトラッチポルカ」や「雷鳴と電光」を紹介しました。今回は カバレフスキーが劇付随音楽として作曲したものを組曲としてまとまとめた「道化師」の第2曲「道化師のギャロップ」を紹介したいと思います。

まずはお聞きください。絶対にお聞きになったことがあると思います。

演奏は洗足学園のオーケストラの皆さんです。

この曲は ドミトリー・

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運動会のかけっこにふさわしい曲 その1

運動会のかけっこにふさわしい曲 その1

9月になってもまだまだ暑い日が続いていますが、秋はすぐそこまできています。秋になると各地で運動会が開催されていましたが、今年はできそうでしょうか?

運動会の音楽というと 駆けっこの時によく流されるのは ヨハンシュトラウス2世作曲の「トリッチトラッチポルカ」とカバレフスキーが激付随音楽として作曲したものを組曲としてまとまとめた「道化師」の第2曲「道化師のギャロップ」が有名ですね。これらの曲は強烈な

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水に戯れ

水に戯れ

6月後半となり 暑い日が続きます。外出から戻った時にはついつい冷蔵庫のアイスキャンディーに手が伸びてあとで奥さんに怒られる暑い夏が始まります。

暑い日に 公園の噴水を見ているような 爽やかな響きの音楽をご存知でしょうか?今回は、そんな夏向きのクラッシック曲の中から フランス人作曲家のモーリス・ラヴェルが作曲した「水の戯れ(Jeux d'eau)」という曲を紹介いたします。

この曲は、アニメ版の

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パガニーニ作曲 「カンタービレ」 ニ長調 作品17番

パガニーニ作曲 「カンタービレ」 ニ長調 作品17番

超絶技巧の曲ばかりのパガニーニのバイオリン曲の中で、ゆったりと楽しめる名曲です。時々オクターブ超えのビッグジャンプやグリッサンドのようにスケールしていくところ、半音階でオクターブ上がり切った後に上下に「計点越えのジャンプ」をしなければならなかったりとか 演奏者にとっては油断ができない、やっぱり「パガニーニ」の曲ではあります。

有名な曲なので、インターネット上にはたを検索すると、だただ演奏を投稿し

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南国のばら

南国のばら

 散歩をしていると 薔薇の花が目につくようになってきました。心地よかった春もそろそろ終わりが見えて じっとりとした梅雨 そして暑い夏がやってきます。そういえ、何となく気だるく暑苦しい日が増えてきたようです。

 この時期に毎年思い出すのは、ヨハン・シュトラウス作曲のワルツ「南国のバラ(ドイツ語: Rosen aus dem Süden)」。「美しく青きドナウ」、「春の声」、「ウィーンの森の物語」等

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ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり

ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり

ヴォーン・ウィリアムズ作曲のこの名曲は、どこまでも牧歌的でありながら、特別なてらいがなく
、当たり前のように空間に広がり あまりに心地がよくて音楽を聴いていることを忘れてしまいそう
になってしまいます。「揚げひばり」という曲名を知っているからか 聴き始めると 目の前に広い
野原とその先に木や山が広がっている景色が広がり その中を自由に浮遊しているような感じがする
ので不思議です。
私は 最近、朝の

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アルルの女「ありふれた話」

アルルの女「ありふれた話」

ビゼーの組曲で有名ですが 同じ原作を使って チレアも同名のオペラを作曲しています。
チレアのオペラでは なんといってもテノールの有名なアリア「ありふれた話」でしょう。

「アルルの女」というからには、アルルの女が出てくるオペラだと思っていましたが、実は「アルルの女」はお話だけで、実際には 出てこないんです。アルル地方からやってきたという女性に一目ぼれをしてしまった羊飼いの息子のフェデリーコの片想い

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