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sex依存症 一話

「入学おめでとうございます」

「うわ、最悪。私あいつと一緒のクラスなんだけど。」
「えー!まじ?近づかないようにしなよ!」
「当たり前じゃん。あんなのと同じ空気吸ってるだけで気持ち悪いんだから!来なきゃいいのに」
「あ、あいつ来たよ。じゃ、私はあっちのクラスだから!ガンバ!」


はあ、のんきな奴。ヒロとも同じクラスらしいし、羨ましい。
なんで私はこんな陰キャクラスなのよ。

そう、あいつっていうのは、きもい奴がいてね。
Sexとかいう、私にはよくわからないけど、汚いことをしている奴がいるの。
噂だけど、なんか見た目も汚いし、タバコ臭いし、話も意味わかんないんだって。
私の彼のヒロもこいつからその、汚いことを誘われたらしい。許せない。




中学に入り、いろいろな小学校からみんな集まったところだった。
噂話は、女子の間でみるみるうちに広まり、3日もたたないうちに男子、先輩にまで広がった。




「入学おめでとうございます」


もうSexなんてやめて、真面目になろう。
やっと中学になって学校が変わったんだし、私も変わるんだ。


うん。変われる。
先生もいい人そうだ。

長い校長先生の話が終わり、教室へ向かう廊下で、周りがざわざわし始めた。

「うわっ、、汚。」
「近づいちゃダメだよ。」

そっか。そうだった。
そうだったんだ。
どうしてそんな簡単に、なかったことになるなんて思っていたの

でも、あきらめない。きっと、みんな忘れてくれる。
みんなはまだsexをしたことがないから、きっと今だけ。今だけだ。




「学級委員になりたい人はいますか?」

真っ先に手をあげた。
みんなやりたくない雰囲気だったけれど、学級委員長になれば、きっと何か変わる。
そう思って、手をあげた。

無言が続く。

笑っちゃいそうだ。先生がいる前では誰も何も言わない。

そうして学級委員になった。


放課後、学級委員会に行ってみると
不良の集まりだった。
どうして?頭が混乱した。そんなものは真面目がやるものではないの?

それと同時に、だから不良中学なのだと、よくわかった。

でもね、よかった。
私も不良だもん。


初日にして行く気がふせたけど、一週間頑張った。
次の日、とても体がだるく、熱が出た。

私、学校向いてないんだ。
精神年齢があいつらは、低すぎるんだ。
いつか、お前らもSexする癖に。


そうして不登校になって二年が経った

中学3年。



あ、少し先生について話したい。

先生は、一年のころから同じ人。
不登校な私の家まで来てくれたり、家では話したくないだろうから、と車で少し離れたところや真っ暗な夜の学校に連れていってくれた。
私がSexを誘った時にも、ちゃんと断ってくれた。
私が自分の手と手を組みながら話していると、それは嘘の仕草だね。とかわいい笑顔で言われた。図星だった。
それから、本を教えてもらった。
星の王子様。
先生が大事な本なんだと言いながら、くれた。
だから次はあなたが、誰かにこの本を教えてあげてね。と。

それから、先生の奥様の出産話も聞かせてくれた。
とても痛そうで、先生が伝えたかったことはまだ分かり切れないけれど、
とにかく出産はとても大変だというのは、伝わった。
きっと私に命の重さを伝えたかったのだろう。
避妊をしなさいということだったのだろう。



三年になって、修学旅行があると聞いた。
行く先は、東京だ。

学校には行きたくないが、東京に行きたかったので修学旅行だけ行くことにした。
そう決意できたのは、二年の終わりに精神科に入院させられたのもあって、だいぶ精神がましになったのもあるだろう。

水筒にお酒を入れ、胸にタバコを入れ、二年ぶりに、学校へ行った。
やはりまた周りはざわついた。
こいつら一体いつまでガキなわけ?

ま、お酒があるし、東京にいけるならどうでもいい。

私は一人行動がよかったが、許されなく、形だけ、オタクグループにいれてもらった。

途中から抜けて、一人行動をした。
だって、興味があるものも、好きなものも、行きたいところも、全然違うのに、どうしてみんな合わせられるの??
この不自由に、気づかないなんて。


先生に見つかったけど、来てくれただけで良いのか、だれも怒る人はいない。

そうして皆でホテルに泊まり、私は酒とたばこにまみれ、同じ部屋の人は合わせてくれた。
私は、女の子えろいな~とだけ思った。



夜、ノックが鳴り、慌てて酒を隠し、出る。
先生だ。
先生が差し出したのは、一人一人の親からの手紙であった。

そこにはこうあった。


旅行たのしんでいますか?
もうすぐ15歳だね。おめでとう。
長いようで早く過ぎたこの15年間。
生まれた時の感動、初めてへその緒を切らせてもらったこと、今でもよく覚えています。
本当に生まれてきてくれてありがとう。
色々あったけれど、これからの人生いろいろあると思うけれど、自分の意志をしっかり持って人生を歩んでいってね。
大きな病気もなく育ってくれてありがとう。愛してるよ

パパより



静かに泣いた。
お酒でごまかした。



修学旅行が終わり、日々の学校へ久々に行くことにした。
また、入学の時と同じく変われると信じ、昼間、制服を着て家をでた。

見知らぬ車がずっとついてきて、話しかけられた。

よく昼間にいるよね、学校は?

無視して逃げようとするけれど、田舎道、人も建物も何もない。

うるさいから、今から学校に行くの。と怒った口調ではなしてしまった。
返事をしてしまったのが、間違いだった。



服がはだけたまま近所の山奥で泣いた。

タバコを吸った。

死んでしまいたいと何度も思ったけれど、だめだ。
先生に泣きながら電話して、迎えにきてくれた。
警察にもいった。
なんとか捕まったけれど、そんなもので、そんなことなんかで。
私は一生覚えている。


学校に行き、別室でぼーっとした。
水筒にお酒だけは持っていたのでとにかく飲んだ。
むしゃくしゃして、ガラスを殴ると割れてしまった。割るつもりはなかったんだ、思ったより弱いもんだった。
自分もそうなのだろうか。

皆の授業中に、階段の踊り場でタバコをこっそり吸った。
いいもんだ。
授業になんかでなくたって、卒業できるのに。


何日か経った頃、一人の女が話しかけてきた。

私、あなたみたいな一匹狼になりたいの。弟子にして。

え、だれ?ま、いいけど。

そこから、いろいろと生意気に教えた。
シャツのボタンは二個開けろとか、スカートの長さとか。
かわいいね、ばかすぎて。

お酒はのめる?
のめます!
sexはしたことある?
ないです、、

おけ、今日家泊まりにきなよ。私の彼氏とその友達くるし、酒飲も!用意しとくから。


夜、家に来た。
と思ったら、まさかのお母さんがついてきていて、挨拶をしてくれた。
うちの子、よろしくお願いします。
はーい!

と笑顔で返したが、私は怒りに満ちていた。


おい、お母さんに送ってもらうってどういうこと?
私みたいになりたいんとちがうん?
そんなんでなれるとおもってんの?
まー。酒のもか、なにが好き?

ほろよいとかです、、


はぁ、、、。
お酒飲めますって二度というなよ。
あ、でも強いけど美味しいのあるからさ!

ウイスキー9割、㏄レモン1割というこそあほなものにはまっていたので、それをあげた。
それから、ブロージョブというカクテルにもはまっていたので、つくってあげた。
ブロージョブの意味知らないひとは調べてみてね

無事酔ってくれた。

実は、彼氏と友達には乱交しようと言っておいたので、三人で襲った。
だけど、嫌がる様子はなく、ノリノリだったのでなんだか冷めてしまった。

私みたいになりたいといったのだから、とことん堕ちろと内心思っていたが、こいつは堕ちる才能がなかった。
私も向こうも違うと分かったのかその日以降は話していない。


冬。
オーバードーズをして、動いてはいるのだけど記憶がなくなった。
気が付いたときには見知らぬ家のこたつに潜り込んで隠れていた。



続きはまた今度!
読んでくれてありがとう。



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