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大切なものが分からなくなったら


時間の欠片を集めていたとき

陽だまりみたいな君を見つけた

遥か彼方を見渡しながら君は言う

急がなくてもいいよ
紅茶が冷めるまでここにいよう



見せてはいないけれど、これまでにたくさんのものを乗り越えてきた

その度に孤独の淵に追いやられて
希望を探しては何度も、何度も迷子になった

形のないものに悩まされて
大事なものがなんだったのか忘れてしまった
どんな自分を愛せていたのか、思い出せない

慌ただしい日常に、何も感じなくなった
美しいものが、濁って見えるようになった
大切なものがなにか、分からなくなった

我慢の代償だと割り切るにはあまりにも傷つきすぎた

深い闇に堕ち続ける自分に気がついたとき
底知れぬ絶望が広がる

そうだ
自分に胸を張って生きるために
この場所にさよならをしよう

いつか、この場所から離れるときは
僕が強くなったときだ

大丈夫、きっと僕らならうまくいく
遅すぎることなんてないよ


よく歩いた日には
コーヒーでも飲んで休憩をしよう 

楽しそうに笑う君達を見ていると
何気ない瞬間すら愛おしく思う

外には桜が踊り散り、心を彩る

毎年この季節に出会えることを嬉しく思う

吹く風
咲く花
変わる景色
全てを紡いで、柔らかい記憶を歩く

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