想定される大きな地震
大地震は周期的に起こっている
下図(国土地理院地図を引用して改変)をご覧下さい。日本列島の南側を3つの大きな海溝が走っています。
南海トラフは北西方向に進んできた密度の高い海洋プレートであるフィリピン海プレートが、密度の低い大陸プレートであるユーラシアプレート(アムールプレート)と衝突してその下に沈み込んでいる、沈み込み帯で静岡県の南から、九州南部にかけての4000m級の深い溝です(図中:青破線)。
過去、このトラフを中心に沢山の地震が発生しており、発生する地域により大きく「南海地震」「東南海地震」「東海地震」と言われ、それぞれが連動して発生する場合と、独立して怒る場合があることがわかってきました。
時系列で見ると、東海地震は165年ののあいだ発生しておらず、その発生周期から、高い確率で東海地震が起きることが懸念されています。
南海〜東南海〜東海地震が連動して発生した場合、甚大な被害となります。
高い確率で発生すると考えられている巨大地震
関東から九州の広い範囲で強い揺れと高い津波が発生するとされる南海トラフ地震と、首都中枢機能への影響が懸念される首都直下地震は、今後30年以内に発生する確率がそれぞれ70-80%、70%程度と高い確率で発生することが予想されています。(下図は内閣府防災情報の頁より引用)
※ 南海トラフの発生確率は2018年に計算し直され 70%から引き上げられ
ています
特に南海トラフ地震が起こった場合、非常に広範な範囲での被害が予想され、東日本大震災以上の被害が想定されています。
※ 表は内閣府防災情報の頁より引用。
見やすさのため本表を引用しましたが、2019年6月に再評価の被害想
定が発表されていますので、最新情報はリンクをご参照下さい。
災害時の医療体制について
このような甚大な被害が想定される中、医療機関の対策はどうなっているのでしょうか?こどもの対策はどうなっているのでしょうか?
次回以降で現状の災害医療体制、小児周産期領域での対策などご説明いたします。
【参考文献】
●内閣府防災情報のページ(2019/7/19最終アクセス)
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/jishin.html
http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/nankaitrough_info.html
●政府地震調査推進本部ホームページ(2019/7/19最終アクセス)
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kaiko/k_nankai/
小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン