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「あ、骨が折れてるかも」と思ったら③

ラグビーワールドカップ、盛り上がっていますね。全く流行に乗れていない私は、皆さんの投稿で SNS のタイムラインが埋め尽くされることで熱気と戦績をチェックしている感じです。

さて、「骨折」といっても骨折そのものの話を殆どしていませんが、、ま、この NOTE らしくていいでしょうか。

急いで救急車!な骨折をまとめています。
今日は「開放創を伴う骨折」です。

開放創を伴う骨折

骨折と同時に皮膚が破れて骨折部が露出しているものを開放骨折と呼びます。開放骨折を不適切に処置をすると、創部の感染を引き起こします。一旦感染を起こすと骨髄炎となり、骨癒合は起こらず(つまり骨はくっつかない)、何回も手術が必要になることがあります。

ごく簡単にいうと、皮膚の損傷を「開放創」といいます。開放骨折はこの開放創の状態によって、以下のように分類されます。

スクリーンショット 2019-09-30 0.34.20

(https://nurseful.jp/nursefulshikkanbetsu/orthopedics/section_2_00_01/より引用)

 当然、重症度が上がるほど(表の下に行くほど)感染率が上がります。
Golden time は 6 時間といわれていますが、できるだけ早期に洗浄を行う必要があります。

一旦まとめます。

ということで、「あ、骨が折れてるかも?」と思ったら、まず、下記をチェックしてから応急処置に入ります。

1) 他の部位に致死的な損傷はないか?
2) 出血はあるか?(動脈損傷の可能性は?)出血量は?
3) 折れたところから先に機能障害はないか?
  (動かない、しびれる、感覚が無いなど)
4) 開放創はあるか?

明日は、そうはいっても応急処置を簡単にまとめておこうと思います。


小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン