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発達障害児・グレーゾーンキッズのみなさん、習い事どうしてる?
昨日から、夏休みに入った。
真っ黒な小中学生がバスに乗り込んだり、自転車をこいだりする姿をみて「かっこいいなぁ」と思う。その反面、我が子は今日も家にいる(夫在宅ワーク)とちょっぴり心の奥底がちくちくしながら、友人に会うべくバスと電車を乗り継いで街へでる。
野球男子が好きな私にとって、完全に親の希望で子どもができたら、野球やサッカーをするのかなぁなど思い描いたりもした。
しかし、その夢が叶うことはきっとこれから先もない。息子には、まわりと合わせることが苦手という特性があり、集団行動が求められるスポーツでは息子の良さが消えてしまう、おそらく自信も失わせてしまうだろう。
そんなことを考えていた昨日。
主催している「発達障害児・グレーゾーンキッズ家族のかけ込み寺ゆるりは」のオンラインカフェをおこなった。今回の話題は、主に「就学前の進路や放課後等デイサービスについて」だった。
この話については、講師の先生が体調を崩したので日程を改めて再度開催予定であるが、「決めた」と思っても何度も何度も迷い不安になるのはみな同じだなぁと共有した。
今回は、このコミュティで「習い事について」が話題になったので我が家の最近の変化について記してみることにした。
発達障害の特性を持つ子どもと言ってもそれぞれ困りごとや悩み、特性はそれぞれ。だからこそ、教科書通りにはいかないし、親は悩む。
今回は、できるだけ発達特性有無関係なく、子どもの習い事で、悩んでいたり困っている方の参考になれば幸いだ。
1.あわよくばがある日突然やってきた。
明らかにレベチのプレイ
息子は、マンションの公共スペースで他の子どもたちと一緒によくサッカーをしていた。その中には、来年から海外に行くというようなとても上手な子供がいたりとなんだかとてもレベルの高いように母には見えた。だから、明らかに息子が浮いているようにみえて、かわいそうで見てられず「帰ろう、もうごはんだよ」など下手な文言を言ってやめさせようとしていた。
でも、何度聞いても「嫌だ」と言う。不思議だった。「嫌じゃないのだろうか?」
息子には、他者と自分を比べることができなくかったり、客観視ができにくい特性があるのだが「そのせいだろうか?」など頭を悩ませた。
サッカーをしたいと言われた日
そうこうしているとある日、「サッカーを習いたい」と言いだした。びっくり仰天とはこのこと。夫に相談した。
すると夫の口からもっと仰天する発言を聞く。
「うまくなりたいんだろうな、〇〇(息子)はうまくなりたいから、帰りたくないって言ってたんだよ」と。
おそらく夫は私よりも息子のことを客観的に理解できていると思う。これは悔しいがなぜだかそうなのだ。そして、わかっていながら、習いに行く?と私なら言ってしまいがちなところを息子が自分から発言するまで待つという姿勢が自然にできてしまう。
夫は、福祉とは全く無縁の仕事をしているが、福祉職にむいているとこの時も思っていた。待つということは、大事なことであるのだがせっかちな女性とくに私のようなADHD気質は待てない!www
スピードをもとめてしまう。でも、これだと、本音は聞き出せず親の欲しい答えを子どもは言ってしまうのだ。
わかっちゃいるけど、やっちまう。
コーチ探し
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やるべきこと!!この気持ちを応援しないでどうする!!と意気込んで私はさまざまなコネクションを使って、教えてくれるコーチを探した。
しかし、特性に配慮できるチームを探したが見つからない・・・。
まだまだ、根性論の強い日本のスポーツは、集団・対人関係が苦手な子どもにとってはハードルがとても高いことを痛感する。
ゆえに、マンツーマンで対応できる先生を探しに探して巡り合うことができた。
これが、本当に素晴らしい出会いで素晴らしい先生だった。何度練習中に癇癪をおこしたか分からない。その度に暖かく見守ってくれ、つきあってくれる。
それでも、やっぱり、サッカーもチーム戦。少しずつ、チームに入る練習ができたらと先生のスタジオへ行ってみる。
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さよならのとき
しかし、親の淡い期待はあっという間に散った。
見学して中に入るタイミングをとってる際、何気ない子どもからの一言「どうして中にはいらないの?」に大癇癪・大パニックが発生。
「入りたいのに、入れない」その不安と1番に戦って苦しんでいる息子にとってその言葉はナイフのように体を突き刺した。
そこらじゅうにある椅子や机を蹴り飛ばし、道路に飛び出した。
そして、もう、2度とその場所には行くことはできなくなった。半年かけて気づいた先生との関係もあっと言う間に終わった。あの日、あーやっぱり「この子は普通じゃない」と改めて落ち込んで呆然としこれからの未来が真っ暗闇にしか見えなくなった。
2.新たな出会い
スマホアプリとピアノ
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そんな出来事から2年が経ったのだが、つい1週間前から急にピアノをひきだした。
息子は、現在音楽の授業はじめほとんどの授業が感覚過敏で出席できていない。だから、もちろん楽譜も読めない。
では、どうやって弾いているのか?
なんと、「スマホの誰でも弾けるようになる!」というアプリゲームをダウンロードし、太鼓の達人ならぬピアノの達人のように弾くタイミングで鍵盤のキーが光るもので練習している。
そうやって、この1週間で5曲ほど暗記し、奏でだした。
見たものを覚える視覚的力と、敏感な聴力があいまって10年ピアノを習い続けた母を驚かせた。
そして、息子は続けて伝えてくる。
「去年、ママが働いていた時にいた音楽の先生が話してくれたじゃん?この指の動きができる人はピアノ弾くのにすごくむいてるよって。だから、ずっと弾いてみたかったんだ。」
と、1年経って思いを伝える息子。
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「早くいってくれよ、そこにピアノはずっと置いていたじゃないか!!」と内心思う母。
何度も書くが「支援は待つ」が基本。
何度も何度も自分に言い聞かせながら、「今、何を弾いてるの?ママは楽譜がないと弾けないから探すね」と伝える。
とにもかくにも、夏休み1日目にして、私は大好きだったピアノをもう一度奏でることになる。
ビリミリオン
息子が最初に選んだ曲「ビリミリオン」
知っているだろうか?
歌詞をみて、その曲の深さに驚いた。
学校の先生にも「すごくいい曲でしょ!」と話しているらしいが、母はこれを知らず車のなかで聞き嗚咽した。
頑張ろう、頑張ろう、頑張ろう。
最後に
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私はど田舎育ちだが、ピアノとそろばんと興味が無駄にひろくやってきた。それは、すべて親から勧められたものは一つもない。全部、「やりたいやりたいやりたーい!!」と暴れてやらせてもらってどれも楽しくて続けていた。しかし人数が少なく強制で入部しなくてはいけないバスケットは球技の苦手さと感覚過敏でボールがあたる痛みに耐えれず行けなくなった。
当時、「根性なし」といった罵声を教師や他の友達からもあびせられたことはいまだに忘れられない。これは、好きでもないことをやることが子どもにとってどれだけ苦痛であるか、どんなにいいものでもストレスで心に傷を負うかを知ってほしくて記した。
ある調査によると習い事の経験がある小学1〜2年生の子どもはおよそ7割。そして2つ以上のかけもちをしている子も多い。学校が終わるとすぐに習い事に向かい、家に帰る頃には夜になる。夕食・入浴をし、宿題や翌日の準備をし終わる頃には寝る時間を迎えることに。
そんな毎日、大人ですら不満を言いたくなるんじゃないだろうか。
無駄に思える空白の時間は、大人にとっても子どもにとっても成長発達に欠かせない大切な時間・脳の栄養になっている。
そう考えると私の息子は、不登校だった時も水曜日の計画的休日も漫画リエゾンー子どものこころ診療所ーに書かれている「デフォルドモードネットワーク」を知らぬ間にできていたのかもしれない。
何もさせてないと焦っているご家族がいたら、「安心して下さい!その時間は大切な時間です」とこれからも伝えていきたい。
デフォルドモードネットワーク・・・ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のことで、ぼーっとしている間に脳が休まって頭の中を整理することをいうそう。
参考文献:リエゾンーこどものこころ診療所ー11
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