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林真理子『成熟スイッチ』

今や女流作家の重鎮の一人である
林真理子さん。

小説のみならず、エッセイでも変わらぬ人気を誇っています。

特に、“ananを後ろから開かせる"という伝説にもなっている林真理子さんの名物連載「美女入門」。私もこのシリーズが大好きです。

華麗な人脈を駆使して、芸能人や著名人を交え会食三昧。なかなか予約の取れないお店で極上のワインを楽しんだり、美容にエステや旅行。
お金のかかるキラキラした日常を繰り広げている内容のエッセイなのに、ちっとも嫌味でないところが読んでいて楽しいのかも。

美女入門シリーズは新刊が出るとすぐにポチるほどですが、小説も大好き!
以前このnoteにも書いた話題の問題作『小説8050』の作品はいろいろと考えさせられる内容でした。


あと、世界で活躍した写真家の故・田原桂一氏と梨園の妻であった博子さんの奇跡のような恋愛を描いたフィクション『奇跡』は不倫の話だけど、『小説8050』とは逆にサラッと読めました。
ごくごく平凡な人生を歩んでいる私からしたら、波瀾万丈な生き方をしている(この本のモデルの)「博子さん」に対しては羨望でしかありません。

「僕たちは出会ってしまったんだ」

林真理子『奇跡』

と言われたとの記載がありますが、
背徳的な関係でのこの言葉は
想像しただけで、キュンとしてしまいます(笑)


そして、最近読んでとても良かったのが、
友人のInstagramで知って購入した
林真理子さんの最新刊
成熟スイッチ

大まかに言うと、若い頃は野心に燃えていた著者が、先輩の作家などとの交流を通じて学び、成熟してきた過程が綴られています。

この本で特に好きなのが第三章。

林真理子さんが日大の理事長に就任されたというニュースは話題になりましたが、理事長の仕事というのは「こんなに大変だと知っていれば引き受けなかったかもしれない」と書かれているほどに試練だらけの日々なんだそうです。

でもそんななかで、人間力を試されたと思って懸命にやるしかないと言い、キャパ超えを楽しみ、「背伸びなくして成長なし」という言葉を胸に真剣に働いているという話が出てきます。


「背伸びなくして成長なし」


良い言葉ですね。
この言葉が私の心にも響きました。胸に刻んでおきたいと思います。


そして、本の最後の部分に書かれているこの内容にも共感します。

自分はこれからどこに行くのか、どこまで出来るか試してみたい。面白そうなことはなんでもやってみたいのです。
成熟とは「昨日のままの自分だと、少しつまらないよ」ということでもあると思います。少しずつでいいから、変わっていくこと。・・・ちょっとしたことでいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分になってみる、成熟にはキリがありません。毎日新しいスイッチを入れながら、自分の変化を楽しむことが出来たら、なんて素敵な人生でしょう。

林真理子『成熟スイッチ』

毎日の小さな変化を楽しみながら、成熟していく。
素敵な人生を生きるためのヒントがたくさんある本です。


ここまで、読んで頂いて本当にありがとうございました♡

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