中島陸(Nakajima Riku)

塾講師の読書記録です。子どもの成長力は周りの大人の成長力だと思っています。昨日より少し…

中島陸(Nakajima Riku)

塾講師の読書記録です。子どもの成長力は周りの大人の成長力だと思っています。昨日より少しでも成長した自分で子どもの前に立てるように、空っぽな自分に、貪欲に中身を詰め込んでいきます。https://ncoach.site

最近の記事

#92 川端康成「雪国」

冒頭の汽車の場面で、すでに情景描写の美しさに圧倒される。 繰り返し読んで、読むたびに表現の美しさに触れたい。 冒頭文の国境を「こっきょう」と読むか、「くにざかい」と読むか。 堀江敏幸さんの書評が面白く、識者の解説を読んだ上で何度も読み返したい。 次に手に取るのはいつになるか。 こういう本は売りに出さず、いつまでも家の本棚にしまっておく。

    • #91 太宰治「パンドラの匣」

      • #90 秦卓民監修 トマス・J・レナード著「Selfish」

        パーソナルコーチングの父と呼ばれるトマス・J・レナードさんの本。英語で書かれた本の翻訳なので、回りくどい例示などもあるが、伝えたい内容は人生の本質という感じ。(訳:糟野桃代) とにかくシンプルに、とにかくありのままに。 セルフィッシュ=利己的というタイトルは、日本人からすると「わがまま」のようなネガティブなイメージをまとうものかもしれない。 だが、この本でのセルフィッシュとはとにかく自分を大切にするという考え方に近い。ポジティブな意味でとらえることができる。 社会人に

        • #89 及川和男「白い森のふるさと」

          小学五年生の明が人助けをしたことをきっかけに岩手県の山方村(モデルは山形町)へ向かう。 夏休みを初めての田舎で過ごし、現地の友達、地域の人と出会い、様々な文化に触れる物語。 作者は福島県の南会津で育ち、岩手県での暮らしも長い及川和男さん。 「ばったりー」などの民具の話、出稼ぎに行かねばならない暮らしの実情、過疎化の実態などが、実体験をもとに書かれている。 炭焼きの文化も、窯の様子や炭を作る手順まで細かく書かれている。 1995年に出版された本で、東北新幹線の終点が盛

        #92 川端康成「雪国」

          【#88】三角みづ紀「とりとめなく庭が」

          あまり読まないジャンル、詩人のエッセイ。年末に読み始めて一気に読了。 12月が誕生日の友だちのプレゼント用に購入した本。なんとなく冬っぽいので、この季節に読むのにぴったりだった。寒さに憧れて北海道に移り住む筆者は、繊細で一つ一つの言葉を丁寧に繋いでいく。あまり耳馴染みのない言葉でも、なんとなく共感できる部分もあったりして、心にスッと入ってくる。 この一節を読んで、もっとカメラを使おうと思った。

          【#88】三角みづ紀「とりとめなく庭が」

          【#87】神山理子「女子大生、○○○を売る。」

          タイトルは18禁なので隠していますが、内容は立派なマーケティング=売り方の本。経営者の友人に勧められてKindleで読みました。 Amazonで販売する方法が書かれた後半部分はサラッと流したが、前半部分はサービスでも学びになるところが多い。 また、著者のリコピンさんの行動力にも刺激をもらえる。

          【#87】神山理子「女子大生、○○○を売る。」

          【#86】鈴木喜代春「十三湖のばば」

          青森県の十三湖のほとりに暮らすお婆さんの語りがそのまま児童文学となった本。方言がかなり使われているので、実際に小学生が読むのは難しい。 おばあさんの家族が次々と重労働や病でいなくなっていくという悲しい物語。昭和の厳しさ、不自由なく食べたいものを食べらる幸せを教わることができる。 昭和恐慌の様子も書かれている。

          【#86】鈴木喜代春「十三湖のばば」

          【#85】新井紀子「AI vs 教科書が読めない子どもたち」

          今更ながら読んでみた反響を呼んだあの本。AIの限界を知ることができた。 教科書が読めない子どもたち、というショックの大きいフレーズだが、実際に現場で子どもたちが文を読んだり書いたりしているのを見ると、同義文判定などは苦手なのを感じる。 こういった読解力は高校生になってからはあまり伸びないというのもデータで示されていて驚き。中学生の前半までは鍛えられるということなので、論理エンジンなどを教材に加えながら読解力を鍛えていきたい。

          【#85】新井紀子「AI vs 教科書が読めない子どもたち」

          【#84】戸森しるこ「ぼくらは星を見つけた」

          児童文学というジャンルなのだろうか。それにしては、「捨て子」という少し重ためなテーマ。 現実問題そんなにハッピーエンドにはならないだろうという冷めた気持ちもあるが、全員が幸せに終わる理想のエピソードに読後感は悪くない。 おそらく現代日本が舞台だが全くの別世界のおはなしだと思って読むと気持ちよく読める。 たまにはこういう本をゆっくり読むのも良いと感じた。2時間ほどで読み切ってしまったが、幸せな時間だった。

          【#84】戸森しるこ「ぼくらは星を見つけた」

          【#83】石嶋洋平「子どもの才能を引き出す最高の学び プログラミング教育」

          プログラミング教育を取り入れるメリットが書かれた本。書かれた当時のプログラミングスクールの紹介なども書かれている。 プログラミング的思考は、中学、高校入試にも出題されるため知識として知っておいた方が良いと思い読んでみた。 大学入学共通テストにはいよいよ情報が科目として追加される。アンテナは張っておきたい。

          【#83】石嶋洋平「子どもの才能を引き出す最高の学び プログラミング教育」

          【#82】松任谷由実「ルージュの伝言」

          「わたしは天才」というスターらしい言葉に圧倒されるところから読み始める、ユーミンのインタビューの書き起こし?のような本。 生い立ちから歌手デビュー、青春、性についても赤裸々に語っている。住む世界が違うんだなとつくづく感じる。 ユーミンはそもそもまるで世代が違うが、母親が好きでよく車で流していたので、なんだか身近に感じる歌手。 魔女の宅急便の影響もモロに受け、今でも長距離ドライブの出発時にはルージュの伝言を流してスタートしたくなる。 ユーミンの実家が八王子なので国道の名

          【#82】松任谷由実「ルージュの伝言」

          【#81】佐藤可士和「佐藤可士和の打ち合わせ」

          世のビジネス本には、人と話すときに「メモを取れ」という派閥と「とにかくその場に集中しろ、メモは取るな」派がある気がする。 この本は打ち合わせは真剣勝負の場だからメモは取るなという考え方。「トヨタの会議は30分」という本でも同様のことが書かれていた。 人と話すときは常にプレゼンという意識を持つ。

          【#81】佐藤可士和「佐藤可士和の打ち合わせ」

          【#80】貞観政要

          相模原ボーイズ(https://sagamiharaboys.com)同期の鈴木虎太郎からオススメされた本。 徳川家康も読んだという、リーダーシップ論の古典。帝王学という分類らしい。 組織をどう動かしていくか、リーダーシップとは何か、そのために聞く耳を持つことの重要性、などなど学びの多い一冊。 久しぶりに漢文を読みました。 途中から現代語訳に逃げましたが…

          【#79】生源寺美子「雪ぼっこ物語」

          東北の山奥のこけし職人、三谷チヨの生涯を題材にした物語。 貧しい暮らしの中で、手に入ったものが指の間からすり抜けていくような描写が続く。読んでいるこちら側も、どうしても手に入らないものって世の中にあるよな…と悟ってしまう。 この本との出会いは高校受験用の国語教材。東北の温泉巡りをしながら、こけしを集めたくなる温かな本。

          【#79】生源寺美子「雪ぼっこ物語」

          【#78】野口悠紀雄「『超』集中法」

          物事の大事な部分は全体の2割。そこを見極めて力を注げ。 要はこれが言いたい本。それこそ、隈なく読み込む本ではないと感じた。

          【#78】野口悠紀雄「『超』集中法」

          【#77】三上ナナエ「気遣いできる人は知っている! 会話のキホン」

          顔色を見すぎない相手がそっけないなと思っても、もしかしたらこちらのせいではなくただ別に気になることがあっただけかもしれない。気を使い過ぎて、何も伝えないのはむしろ失礼に当たる。 上から目線× 横から目線○会話において、相手に勝とうとしてはいけない。いま流行りの論破はだめなのだ。必ず相手の言ったことを受け止める。 そのとき、「そうなんですね」はNG。「どうしてそう思うのですか?」など、より相手に興味を傾けていく 何か良い報告を聞いて、「よかったね」は上から目線。「嬉しいね

          【#77】三上ナナエ「気遣いできる人は知っている! 会話のキホン」