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#89 及川和男「白い森のふるさと」

小学五年生の明が人助けをしたことをきっかけに岩手県の山方村(モデルは山形町)へ向かう。

夏休みを初めての田舎で過ごし、現地の友達、地域の人と出会い、様々な文化に触れる物語。

作者は福島県の南会津で育ち、岩手県での暮らしも長い及川和男さん。

「ばったりー」などの民具の話、出稼ぎに行かねばならない暮らしの実情、過疎化の実態などが、実体験をもとに書かれている。

炭焼きの文化も、窯の様子や炭を作る手順まで細かく書かれている。

1995年に出版された本で、東北新幹線の終点が盛岡だった頃の話。

そこから30年近くが経ち、地域社会を取り巻く環境は変わっている部分もあると思うが、この本に書かれている山の人の暮らしの工夫と人々の温かさは今もこれからも変わらないはず。

令和の小学生に読んでもらいたい。

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