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伝えたいことを伝わることは違う

クリスマスが終わって、少し余裕ができてきました。
でも、実際に自分がしたことを振り返ると
何が忙しいかってわけでもない、
ただ心がそわそわしていただけな気がします。

「忙」
この漢字で、心を亡くすと
よく聞きますが、
僕の12月は、
なんだかあちこちに心の欠片を落としてきてしまった気がしてて、
今になっていくつかのトラブルが発生しています。
丁寧に生きたいものです。

今月、札幌白石倫理法人会のモーニングセミナーのテーマは
コミュニケーションです。今回はコミュニケーションの話を書こうかと思います。

僕は、研修講師として
研修をしてきたこともあります。
そこで、
『「伝えたい事」と「伝わることは違う」』
ということをお話ししています。
特に、社会人として経験が少ない(人とかかわった経験が少ない)
若手の方々にいつもお伝えするのです。

20年ほど前、僕は
コミュニケーションにすごく自信を持っていました。

(だいたい、この「コミュニケーションに自信を持つ」なんてことが今思うと、僕には意味が分からない。自信の対象として的外れな気がします。恥ずかしい。)

正社員型の派遣会社で採用の仕事をしており、そこそこの成績もあげ、責任者にもなっていましたのでね。相手の立場に立って口説くということについては、まあ、「社内ではそれなりにイケてるぞ俺。」と思っていたのでしょう。
(当時、数字目標を掲げて採用をするという仕事をしていました)

ある、音楽作家さんとお話をしたときに、印象的なお話がありました。
「横山くん、結局、自分の想いなんて案外違ってて、
世間がどのように感じるかで、自分の影響力も変わってくるんだよね。
自分としては、駄作で恥ずかしいと思っていた曲が
大きく世間に評価され、大ヒットし、
でもそのことによって自分の信用ができていたりするから。
世の中ってわからないんだ。」

ある先輩事業家の方が、おっしゃっていたお話も思い出します。
「そもそも自分の描いているものが、
相手のバックグラウンドにないのであれば、
想像だってできていないし、まったく別のものを想像してしまう。
どんなに素晴らしい物語であったとしても。」

研修の時にお呼びした講師の方から聞いた雑談も面白いです。
「外国人がすると許されるミスコミュニケーションが、
日本人の若い人がすると腹が立つとなんでだろう。って思わない?
日本人だからわかるだろう。っていう甘えがこっち側にあるのよ。」

ちょっと恥ずかしいのですが、30歳前後のころです。
会社説明会を自信満々に開催していた時に
起業を目指していた大学の後輩、まだ学生さんでいろいろお話をしました。
「志望違うのはよくわかっているけど、遊びにおいで。」
そういって僕は会社説明会に彼を呼びましたら、
「つまらなかったですね。他社はもっと面白かったです。」
と言われたとき。。。。

数々の経験を経て、
いま、やっぱり
伝えたい事と伝わることは、違う。
と思ってコミュニケーションしているほうが、いい気がします。

伝わり方に工夫をしなくてはいけないし、
伝えるには相手に興味も出るし、
何より、自分のエゴを手放すことができます。
そして、自分自身が、
「相手が本当に言いたい事ってなんだろう。」
って思えるようになりました。
(ただ、本当に言いたいことを僕が汲み取れているという話ではないのがちょっと残念なところ)

ところで、先述した事業家の方が
もがきくるしむ若手の僕にアドバイスをくれた時があります。
「頑張っても成果が上がらないときは、頑張り方を変えてみる」
この言葉は、今でも心に残っていて、
特にコミュニケーションの現場において、
事業スタイルについて
つまらないプライド、スタイルを思い切って手放すときの
僕の大切な言葉になっています。

その方が「本当に伝えたかった事」とは違うかもしれませんけどね。



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