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人形作って生きてます

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主にソフビを作る際に色々起きた事象や気をつけておきたいことを漫画コラム形式でまとめています
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ソフビの製作費を考える【人形作って生きてます】

ソフビの製作費を考える【人形作って生きてます】

補足説明

だいたいソフビ製作について一番最初に、そしてもっと多く聞かれるのが『製作費』です。
『いくらでできます?』
という質問です。

これについて、実はきちんとしたお答えはできません。
それは
『作るものによって価格は変わる』
からです。

つまりは『何を作るか?』というビジョンがなければおおむねの価格が算出できません。
これは全く当たり前のことで

『ハンバーグはいくらでできますか?』

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ソフビ原型を製作する・その1【人形作って生きてます】

ソフビ原型を製作する・その1【人形作って生きてます】

【補足説明】

原型の作り方はある程度『原型を作るお話』で説明しましたが、ここではもう少し

『ソフビにするための原型』

と言うものを数回に分けて説明いたします。
ソフビに限らずPVC製品はそれぞれ原型から製品に向けて原型通りに出来上がることはありません。

『金型から抜き出す』と言う行為があるために製品が伸びたり引き抜き方によって歪む。
また、性質上ヒケ・縮みなど他のおもちゃに比べて多くの問題

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ソフビ原型を製作する・その4【人形作って生きてます】

ソフビ原型を製作する・その4【人形作って生きてます】

【補足説明】

ソフビ原型は成型の段階でかなり歪みと引けが起こります。
その中でも『ヒケ』というのは厄介です。

胴体が特にわかりやすいのですが、直径の狭い方が顕著にヒケます。
スタイルを良くするとお腹の方がぺったんこになるくらい引けてしまいます。
昔のソフビなどでなんかお腹が凹んでるんだよねー…
と思った経験のある方も多いと思います。
それは引けが生じています。

それを避けるために原型ではビー

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ソフビ原型を製作する・その5【人形作って生きてます

ソフビ原型を製作する・その5【人形作って生きてます

【補足説明】

ソフビの製作において、原型の段階で完成状態になるように色々と仕組んでいきます。
それはデザインによって色々と工夫をしていかなければならないのですが、基本的には

・引け
・歪み
・抜き

の3点にはかなり気をつける必要があります。

引けというのは細い部分はより細く、平らな部分が凹むなどのデザイン上かなり思ったものと違う状態で出来上がってきます。
楕円状のものであればより楕円に、四

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ソフビの原型を作る・その6

ソフビの原型を作る・その6

【補足説明】
ソフビの原型には完成した時を想定しながら製作します。

ここまでみてきたように、ヒケ・歪み・縮みなどどのように起きるかを予想して製作します。
が、これは本当に完成してみないとどうなるかわかりません。
良い方向で完成すれば問題ないのですが、なかなかそうはいきません。
あくまで『予想』をしながら製作していきます。

今までのソフビ、昭和の時代にあったソフビ達や食玩などでなぜこの形になった

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『良い話』に疑問を持つ!【人形作って生きてます・ソフビ製作】

『良い話』に疑問を持つ!【人形作って生きてます・ソフビ製作】

【補足説明】

どの業界でも『良い話』を持ち掛けてくる人はいます。
もちろん、本当に良い話もいっぱいありますが、そうでないものも往々としてあります。

これは昔からどの業界でもあることで、お金がかかる部分には必ず『騙そう』と企む人がいます。
ソフビでいえば

『自分に任せればソフビが簡単にできる』

ということを言われます。
一見、とても良さそうに見えていてもものつくりはそうはうまくいきません。

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商品化権の許諾とは?・その1【人形作って生きてます】

商品化権の許諾とは?・その1【人形作って生きてます】

【補足説明】
テレビや漫画などいわゆる『著作権』というものはみなさん少なくとも聞いたことがあると思います。
著作者に作品の権利があります、くらいのことはご承知かと思います。

しかしその著作権って何?
と言われるとこれがものすごく細分化されていて専門家でないとなかなか分かりづらいと思います。

例えば、テレビ作品のキャラクターを製作したい。
という場合には

『作品を考えた人』なのか『デザインした

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商品化権の許諾とは?・その2【人形作って生きてます】

商品化権の許諾とは?・その2【人形作って生きてます】

【補足説明】

現在は二次創作などが周知されていたり、デザイナーなどが自分なりのアレンジをするなどの幅広い可能性が広がっています。
しかしながら、2次許諾をいただくと言うのは非常に難しく『厳しい監修』が待っています。

それは権利元が『大事にしているキャラクター』を『イメージを崩すことなく』商品化してもらうためです。
確かに、実力のあるデザイナーさんが優れたデザインでアレンジしたとしても権利元がそ

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